元プロ野球選手による異世界ゴジラ戦記

ポコちゃん

第1話 え?美少女ですか?

 「ヒデ…もう終いやな」


 この一言で私、松井秀郎の選手生活に終止符を打つことになった。30代後半で引退はまあ自分でも長くやったと思う。中には自身の実力が足りず辞めていく奴もいれば戦力外通告を受ける奴もいる…… 私は後者かな?

でも悔いはない。指導者として、また解説者としても仕事は来るだろう。それにまた野球をしたくなったら社会人野球にでも首を突っ込めばいい。私の名前だけで引っ張りだこだろうさ笑 さて、どうしたものかな?

 

 春、私は社会人野球チームに加わり野球を楽しんでいた。と言っても助っ人でだ。レベルを下げてまで野球選手にこだわるつもりはない。単に野球がしたかっただけだ。

そして今、9回裏ツーアウト満塁フルカウント。お決まりの王道パターン。次で勝負が決まる場面だ。相手がミスするか私がミスするか。久しぶりにワクワクする展開だ。何があっても振ろう、たとえボール球でも。ホームランバッターであった私はこんな時こそ燃える。三振したって歳を理由に誤魔化せばいいさ。そして相手投手が振りかぶって投げた。

私はこれでもかという程に強くバットを振ろうとした。しかし投げられたボールはどんどんこちらに向かってきている。私はとっさに避ける態勢をとったが間に合わず頭に直撃した。流石に死にはしないだろう。あとで金でもふんだくってやろうか笑 私は楽観的だった。そして次第に目の前が真っ暗になり意識を失ってしまった……



 「アシュリー!起きなさい!」


 この知らない女性の声で目が覚めた。見覚えのない天井。起き上がるとすぐに体が小さくなっていたことに気づく。近くに鏡があり確認するとそこには銀髪の美少女が立っていた……


 「まあ…ほんとはイケメンの男性の方が良かったんだけどな…」


 私、松井秀郎…美少女になっていました!

 



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