第17話 建国の父

「愚息の無礼について謝罪する。申し訳ない、何故ここまで愚かに育ったのか、私の責任……とは思いたくないな」


いやどう考えてもあんたのせいだよ。

どんな教育施したらこんなに馬鹿に育つんだよ!

まずは空気読むことから教えてあげなきゃ。


「な、父上何故ですか?!あの者は父上を名前で呼んだんですよ?不敬極まりない!死刑にすべきです」


「どうやら王子は建国史をご存知ないようだ。北の国を興した人物の名前をご存知ですか?」


「ふんっ。野蛮な辺境伯でも一応の礼儀作法は身についているらしいな。国を興したのは我がマルダー家初代当主に決まっているだろう。建国の父を知らん王族など王族ではない!」


王子様自信満々じゃーん。

そりゃそうだよね〜王族が国の成り立ち知らなかったら王族じゃないよね!

……でもさ、王様がすっごい居た堪れなさそうにしてるんだけど気のせいかな?

流石に建国の父がわからないとかさ……ないよね?


「なるほど……王族の建国史ではマルダー家が建国の父なのか。1つ勉強になったな」


うわぁベルそれ嫌味でしょ。

馬鹿はとことん馬鹿だったのね〜自分の国の成り立ちすら知らないなんて……いやまぁ私も日本の成り立ちとか?詳しく知らないけどー。

流石に王族が知らないは問題だよね。


「そうからかわないでくれ。この馬鹿は最早王族ではない。建国の父を知らぬ王族は王族ではない、と自ら口にしたのだからな。この世界のものは赤子とこの馬鹿以外全員が知っている、建国の父・ドラゴン王アズベルの名を。生ける伝説だ」



なーんかそんな気はしてた、もう驚き疲れました。

でもベルってば超超超長生きだね〜ドラゴンの特徴なのかな?


「まさか王族で俺のことを知らぬものがいるとは思わなかったが、なかなかに新鮮な反応で面白かったぞ。」


「こ、こいつが建国の父だと?!そんな……父上!私はそんな名前聞いたこともありません!これは何かの間違いです」


あーあ、王様が謝った時に素直に引いてればよかったのに。

やっぱり空気を読む力は必要だったんだよ。

グッバイ名もなき王子様。


「父と呼ぶな……お前のせいで私は今羞恥心と戦う羽目になっているんだ。もう黙ってrバーンッ「遅いですわ!」アカリ嬢今は取り込み中だ」


まーた馬鹿そうなのが乱入してきたよ。

いつになったら本題に入るんだよ!

何しにここ来たのか知りたいんですけどー。

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