【02話の2】 お取り寄せ能力

 

「能力であるが、貴方の小説を参考にした」

 私の小説?あの恥ずかしい駄文の?読まないでほしいのですが……

 

「現時点の、インターネットの全てを閲覧できる仮想のタブレットPCを差し上げる」

「手に取ることも出来るが、想像すれば頭の中でも操作できる」

「この仮想のPCを通して、取り寄せできるものは、即座に手に入れられる」

「サイトからの取り寄せに対して、定休日などはない、いつでも取り寄せられるが、まぁ定時は存在する」

 

 確かに、私はそのような設定をしていました。

 

「出したものは、個人的な空間の倉庫に収納できる」

「この空間倉庫に一度収納したものは、次回から同じものがだせる、つまり劣化しないということだ、その上に現地のものも収納できる」

 

 チートそのものではありませんか……

 

「制限があり生物は不可、ただし植物の種子は別、猫や犬は不可ということだ、さらに1辺あたり5m4方の立方体積が、1日の最大使用量となっている、最小は1辺あたり1m4方の立方体積、最小単位あたり1種類、つまり最小単位なら125回使える、十分であろう?」

 

 細かい制限がついています、いいのか悪いのかは分かりませんが、とにかくここは交渉してみましょう。

 

「出来ますれば、最大立体を並列で使えることはできませんか?長辺10mの物も出せればうれしいのですが?それと使用残量の繰り越しもお願い出来ませんか?」

 

 聖天様、すこし考えて、

「7日に1回、最大使用量が倍となるようにする、繰り越しは不可、これで我慢せよ」

 

 いま少し……お願いしてみましょうか。

 

「一度取り出したものは、カタログ化して空間倉庫を使用しない、ということでお願いできませんか?」

  

「毎日使う消耗品で、空間を使いたくないということか……ではこうしよう、貴方の世界での単価、500円以下のものを条件として認めよう」

「その上に、空間倉庫の収納物のカタログ化を認め、カタログに載っているものは無制限にとりだせる、これでいいだろう?」

 

 つまり新規に取り寄せたもの以外で、廉価なものについては、一日の最大使用容量の制限を受けない……

 例えばなにかしら廉価の物をだせば、そのアドレスをお気に入りにしておけば、直後から無制限に取り出せる……

 

「500円ですか……サニタリーショーツが買えませんが?」

「貴方は男であったはず、サニタリーショーツを知っているのか?」

「小説でTSを扱っていたものですから……」

 まさか、こんなところで黒歴史が役立つなんてね。


 聖天様、インターネットを検索しています。

「確かにあまりないな……ではこうしよう、3枚とか4枚とかが最小単位になっているようだ……1点あたり500円以下ではどうか、たとえ3枚セットとしても単品取り寄せを可能とする」

 

「有り難いご配慮ですが、私も女性になる以上、少しは可愛いものが欲しいと考えます、もう一声お願いできませんか?」

 

「貴方も交渉上手だな、よかろう、700円以下とする、未満ではない、以下だ、これ以上は空間倉庫を使用することだ」

 

「更にお願いするのは申し訳ないのですが、送料や手数料は700円に含まない、さらに今は夏です、現時点ということは、取り寄せできるものは夏用になります、出来ますれば、冬用もお願いできればと思うのですが……」

 

「なるほど、確かに不便かもしれない、では昨年のクリスマス直後、12月26日と検索できるように……ええい、面倒だ、現時点から1年前までの日について、エーリュシオンの1年はこちらと同じ、エーリュシオンの1年に連動するようにする!夏至を基準に、データー検索対象は1年戻ると思え!送料や手数料は単価に含まない!これでいいだろう!」

 

 このあたりが潮時でしょうね、これ以上は怒られそうです……

 この空間倉庫の話はこれでまとまりました。

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