母が、私に求めていた事。


 私が小学校に入ると。


私は毎日習い事を始めていました。


朝、六時に起きて。子供新聞を読み、漢字の書き取り。計算ドリルをし。


学校に行き、帰りは習い事に行きました。それから帰ってきて、母監視で、バレエと日本舞踊の自宅でのレッスン。


お風呂・ご飯のあとは、また一学年先の国語と算数のお勉強。漢字の書き取り。すべて終わるのは夜の11時・・・という時もありました。


習い事は何をしていたのかと言うと、バレエ・日本舞踊・ピアノ・水泳・劇団・ジャズダンス・・・・。


どれもこれも、私は大っ嫌いでした。


母は、子供がどこに才能が眠っているか分からない!それを伸ばしてあげたい!


と言っていました。


そこは正直・・・・私は、嬉しかったのです。


母の私への言動に。


悪いけれど、愛情を感じた事が無かったので。


そこ「だけ」は愛情を感じたので。嬉しかった。



あなたと東京に行って、あなたが女優になって(劇団に入れたのは私を子役にしたかったから)二人で暮らすのが夢なの!


と母は時に語ったり。しました。


 そこも。私に「希望」を持ってくれているんだ。と感じたので。


 それをかてに頑張ってみたりもしたんだけれど。


 しかし。


ど う考えを変えてみても。


 私にとっての当時の毎日は、母が決めた、学校と、授業と、宿題と、習い事、母の決めたスケジュールをこなす、負担なだけの「作業」でしかありませんでした。


そしたら当然、何も身につかず。


「こんなに、お金をかけているのに、あなたは何一つ上達しない!。」


と言われました。


なんで、こんな事言われないといけないんだろう。


他の子は、習い事してないのに。


私は、他の子とちがって、遊びにいけない。


友達ができても、友達の文句を言われて、習い事があるから、誘われても断らなきゃいけない。


友達との時間が少ないから、入っていける話題もないし。


とても辛かった。


友達から遊びの誘いの電話がかかってきて。習い事あるからダメよ。と言われて・・・泣く泣く断ったら、何その態度!!いつまでも泣くな!!と怒られる。


私だって遊びたいよ。


習い事しんどいよ。


しんどいと訴えても、朝は誰だってしんどい!!


そう怒鳴られるだけでした。


土曜日と日曜日は、やっと時間があると思ったのに、土曜日はテニス教室に入れられて。


すべて、私の知らない所で、私のやるべき事は決まっていて。


友達の制限だってされて。(面倒だったので親が気に入った友達だけ遊んでいた)


毎日が、私の毎日じゃないみたいで、歩いているこの人生も、私の人生じゃないみたいで。


私、テニスしたいなんて行ってないのに。習い事だってみんなそうなのに。


どうして?。


なんで、私だけ、こんな事しなくちゃいけないの?。


 なんで私だけ、女優にならないといけないの?。


 私。普通に生きたい。


 友達と同じように。駄菓子屋に行きたい。


 自転車に乗って、駄菓子を食べながら滑り台の上で話をしたい。


 可愛い髪型をしたい。


 可愛い靴下が欲しい。




そんな風に、毎日思っていました。

















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