愛するもふもふと共に。

五十嵐 綾。

プロローグ

 「アイリス嬢、あなたとの婚約を破棄する!」

きらびやかなシャンデリアが照らすホールには

美しいドレスやスーツを着た多くの者たちで埋め尽くされていた。

しかし、ホールの中央はスペースが開いておりそこには

シャノン王国で美しい令嬢と有名な『鳥籠の女神』こと

グレイ公爵家の令嬢アイリス・グレイ、

〈ガルディエーヌ〉フクロウのミー・ワシミミズクと

アイリス・グレイの婚約者、レスター侯爵家の令息イーライ・レスター、

〈ガルディエーヌ〉サルのシシル・シシオザルと

イーライが大事そうに肩を抱いているのが

ダンモア伯爵家の令嬢レミーエ・ダンモア、

〈ガルディエーヌ〉ウサギのホラン・ドワーフホトだ。

「あなたはレミーエを事あるごとにいじめていたそうだな。宰相一家であるグレイ公爵家のあなたがそんな小癪なことをするとは思っていなかったよ。」

イーライ・レスターは呆れたといった表情だ。

「イーライ様、身に覚えのないことを怒鳴られてもわかりませんわ。」

「うるさい!お前がレミーエをいじめた証拠も出ているんだ!言い逃れはできない!」

イーライ・レスターは怒りに任せてアイリス・グレイを殴りそうな勢いだ。

なぜこのような状況になっているのかを説明するにはアイリス・グレイの

幼少のころまで遡らないといけない。

それでは、『鳥籠の女神』の物語の始まり始まり……

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