死なないために、僕は彼女に恋をします。

ヤマナシミドリ/ 月見山緑

あらすじ ファミ通文庫大賞様応募用 (ネタバレ含みます)

 ファミ通文庫大賞様応募用のあらすじです。

 本編のネタバレを含みますので、閲覧の際はお気を付け下さい。




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 物心ついた時から漠然とした自殺願望を抱えた一樹いつきは、高校二年に自殺を決意する。しかしふと「恋をすればこの気持ちが晴れるのでは」と思い至るが、しかし一樹には気になる人なんていない。だから席が隣だからという理由で、恋の対象を古賀実こがみのりに決め、彼女に告白することにした。


 古賀実は告白が嘘だということを直ぐに見抜いた。彼女にはいわゆるビッチだという噂があり、身体目的で告白したと考えた彼女は、それはあくまで噂でしかないということを話す。


 一樹が告白をした本当の理由を白状すると、それは恋じゃない、相手に振り向いてもらおうといろんな努力をするから恋なのだと、一樹に駄目出しする。そして自殺を止めるために、その恋の協力をすると申し出た。古賀実に恋する方法を、古賀実に指南してもらう。二人の間に奇妙な関係が生まれた。


 文芸部部長である黒川花芽くろかわはなめを巻き込みつつ、二人は関係を深くしていた。そんな中、ある雨の日、一樹の下に宇佐雪子うさゆきこという人物が現れる。彼女は一樹が中学時代に共に心中を企て、そしてその寸前で一樹が逃げ出した相手だった。


 それ以降、宇佐雪子は何度となく一樹に付きまとった。そしてある時、その光景を古賀実が目撃してしまう。その場から逃げ出す彼女を、一樹は追いかけることが出来なかった。


 翌日、一樹は古賀実に誘われて、カラオケボックスへと足を運ぶ。そこで彼女は、ビッチだという噂、いじめ、それに耐え兼ね、自分自身も自殺願望があることを打ち明け、自身の首にカッターナイフを向ける。

 一樹の恋に協力したのも、自殺を悔い改めさせれば自分に依存してくれると考えたからだった。

 一樹は彼女のカッターを奪い、その考えを改めさせるために自殺をして見せようとする。それをすんでのところで阻止したのは、黒川花芽と宇佐雪子だった。


 それから彼らは、自らの自殺願望を否定することなく、それでも少しずつ変わろうと高校生活を送ることを決意する。

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