雪の玉と淡雪と

 五月だというのに梅雨模様ですね。

 通り道の庭先には、もうホタルブクロが咲いていました。

 湿気に元気づいたのか、ドクダミも可憐な白い花を次々と咲かせています。

 ヤマアジサイが、楚々とした姿を見せて、雨の季節の到来を知らせます。

 

 さて、雪の玉のお菓子をいただきました。

 白くて丸くてアーモンドの粉の風味が香ばしいひと口焼菓子。

 スペイン語ではポルボロン、フランス語ではプール・ド・ネージュ、英語ではスノーボール。

 この三つ、見た目は同じようなのですが、微妙に食感に違いがあります。

 三つのうち、一つと二つで食感が分かれます。

 ポルボロンは、薄力粉をオーブンやフライパンで焼いてから使います。グルテンがなくなるので、ほろほろともろい食感が出ます。

 プール・ド・ネージュとスノーボールは、薄力粉を焼かずにそのまま使います。ほろほろというよりは、サクサクとした食感です。

 見た目は同じ雪玉ですが、口に入れると、そのほどけ具合で、お国がどこかわかるというわけです。最も、フランスと英語圏とは同じなわけですが。

 ポルボロンは、「ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン」と三回唱えながら食べれば、幸せになれるという言い伝えがあるそうです。

 以前、世界のお菓子屋さんの郷土菓子研究社さんで、ポルボロンを求めましたら、お菓子の説明書きにそう書いてありました、確か。


 焼菓子をもう一品。

 ハーブ入りのメレンゲをいただきました。

 口の中で、かりっと歯を当てると、すぐにふわっとほどけて、ハーブのほのかな香りが立って、アクセントのオレンジピールのさわやかさが追ってきて……

 メレンゲは、淡雪ですね。


 雪の玉と淡雪とお茶の時間。


 久しぶりに、くつろぎました。


 

 では、皆さま、今日はこの辺で。









 

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