登場人物紹介

※この登場人物紹介は連載が進むことに追加、変更が行われます。ご了承ください。なお、登場人物紹介は飛ばしても特に問題はありません。




 田舎から大都会へと華麗な転身を遂げた街、K市。


 その新たなシンボルとなる建物、Kタワー。


 その周辺で突如発生した大量失神事件。


 その中で唯一影響を受けなかった、白い帽子を手に立つ少女。


 裏で絡む大企業の軍事産業。


 そして、隠されていた異星人の存在。


 彼らと地球人のハーフを作る計画により産み出された、ヒューメイリアン。


 すべては、5日後に巻き起こる渦の中心に過ぎなかった。




presented by オロボ46




SFハイスピード群像劇




【ヒューメイリアンは嫌な予感を感じる】




「こんな落とし物を拾っていなかったら、私は騒ぎに巻き込まれなかったかも知れないのに......」

少女は嫌な予感を感じとる。それだけでは変えることはできない。


ギンホ [銀髪のヒューメイリアン]

星見 銀歩ホシミ ギンホ 15歳 高校生

 異星人の置き土産である遺伝子によって生まれたヒューメイリアン。その生まれ故か、普通の人間よりも嫌な予感を鮮明に感じとることができる。

 異変の中で流れた彼女のニュース。それをきっかけに、5日後の誕生日に事件に巻き込まれて行く。




 異変の数分前に、少女は青年とぶつかる。

「......だ......大丈夫っすか!?」

その時、青年は落としてしまう。5日後の騒動から離れることのできる引換券を。


シロト [白帽子の大学生]

絵座 白斗エザ シロト 18歳 大学生

 K市の大学に通うために田舎から上京してきた、白い帽子を被った青年。彼は想像出来るだろうか。改善しなかった癖が執念深い男の逆鱗に触れることを。そして、関わりを持つはずのない5日後の騒動に巻き込まれることを。




「いえ......先輩すみません、腹壊しちまって......もう帰っていいっすか?」

「おいおい大丈夫か? そんな調子じゃあ大学生活は大変だろ?」

青年の先輩は面倒見がいいように接する。その先輩の正体を、青年は知らない。


ハノスケ [○○のバディ]

刻巳 刃之助キザミ ハノスケ 22歳 大学生

 一見普通の大学生。だが、彼にはある重要な使命を持っていた。その使命に導かれ、5日後に出会う相棒との出会いを待ちわびている。





「それじゃあ、風邪引くなよ。俺はもう少し残るよ」

そう答える青年の先輩は想像する。自分と行動を共にする相棒の声を。

「お客さんたち、次がラストオーダーですよ」


クモリ [冷静沈着な老人]

星見 曇ホシミ クモリ 60歳 喫茶店[蟻家]の店主

 ヒューメイリアンであるギンホを引き取り、育ててきた老人。監視役の刑事から受け取った一通の封筒。それは5日後に老人があるべき姿へと戻すきっかけとなる。




「おう、それじゃあブラックのレギュラーで」

「夜更かしするつもりなの? あ、あたしはココアで」

「僕は......レモンティーで......」

[蟻家]の常連客である三人の刑事。彼らの生き甲斐でさえ、騒動を紡ぐ糸に過ぎない。


オオガラ [出世欲に取りつかれた刑事]

大柄 大助オオガラ ダイスケ 28歳 刑事

 大柄な彼の生き甲斐、出世。その原動力は5日後の事件で吉と出るのか、凶とでるのか。


メカネ [楽観的な女性刑事]

落款 目鐘ラッカン メカネ 30歳 刑事

 眼鏡をかけた知的な印象とは対照的に、明るく少し軽い性格。そんな彼女の生き甲斐である楽しさを、5日後の事件でも見いだすことができるだろうか?


セタカ [ヒューメイリアンを知る刑事]

瀬田加 管速セタカ カンソク 32歳 刑事

 あまり口数が少ない刑事。他の二人には弄られがちだが、世間一般に存在を公開しないヒューメイリアンの監視役に抜擢される辺り、上からの信頼は厚いようだ。

 生き甲斐は明らかにしていないが、他の二人よりも5日後の事件に関係の大きい生き甲斐であることは間違いない。




「あとこれ......つい先ほど流れたニュースなのですが......」

刑事が老店主に見せたニュース。これが騒動を広めた原因の一つだ。

『建物の中にいた人の多くが、突然空に2つの何かがぶつかりあったと話していましたが、それが何なのかはまだ不明です。また......失神している人たちの中で、立っている人間が一人目撃したという情報があります。性別は不明、ただ、その人物は白い帽子を手に取っていたとされています......』


マイコ [真実に囚われたレポーター]

兎野 舞子ウサノ マイコ 25歳 レポーター

 真実をすべて話すことに執念を燃やす女性。その熱意の裏側にある過去。騒動はその過去すらも舞い上げてしまう。


カメ [マイペースなカメラマン]

亀 麕男カメ ノロオ 40歳 カメラマン

 マイコの相棒としてカメラを回す男。そのレンズに写るのは真実か、見てはいけない過去なのか。




「ヴぇえぇへへ......何か嫌な事があればいつでも僕に相談してもいいんだよ?」

「ストーカーに相談したくないです。あと、肩を掴んで頬擦りは止めてください」

少女を付きまとう男。彼の目線も、街道テレビに向けられていた。


ライタ [狂気を持つフリーライター]

振原 雷田フリハラ ライタ 20歳 フリーライター

 ギンホに付きまとうフリーライター。言葉の真意は不明なまま、ただ5日後の日を待ちわびる......




「なんだ白い帽子とは......まったく関係ないじゃないか」

テレビの電源を乱暴に消す小太りの男。彼のその怒りは、単純な性格からだった。


コブトリ [太い根を持つ知事]

古部鳥 啓コブトリ ケイ 42歳 知事

 根に持つタイプでやや幼稚な性格ではあるものの、一度受けた恩は絶対に忘れない一面を持つ。その長所すら利用されているようにも見えるが。




 騒動を紡ぐ糸は知らぬ間に伸び、関わりのない糸を巻き込んでいく。誰も知らないうちに......

「異星人が去る間際に、自分の遺伝子を地球人に渡したんだって。政府は宇宙人の存在含めて隠蔽したけど、実は異星人と地球人のハーフを作る実験をしていたんだって......あたし、その人と友達に......」


リン [リボンを着けた高校生]

綺羅座 輪キサラ リン 15歳 高校生

 ギンホの親友で極普通の都市伝説マニア。そんな彼女にも、騒動に繋がる糸を手にしていたことなど、親友すら予感しなかった。




「なぜ私がここまでご機嫌なのか? 決まっているじゃない、もうすぐ始まるから」

自宅に車を走らせる女性。彼女が表の黒幕としたら、それは安直であろうか?


クロザワ [クロザワグループ代表]

黒沢クロザワ カオン 30歳 クロザワグループ代表

 異変によって軍事産業の新商品を乗せた飛行機が事故を起こした。裏企業が表に出る恐れがあるにも関わらず、笑みを浮かべる彼女の内にあるものとは......?




「その日が5日後にやって来ると思うと......笑みが止まらない」


「それじゃあギンホちゃん、明日学校でね。5日後の誕生日会、楽しみにね!」

「いや......ガードレールに思いっきり頭ぶつけていたもんだから......」

「何を戸惑っているのよ......すべて話さないと......駄目じゃない......」

「いつでもいいですよお、マイコさん」

「失神しなかった者があの青年である必要はない。共通する部分があれば十分だ」

「僕が祝う必要はない。その日こそが君に取って大切な誕生日プレゼントだから」

「はあ......早く出世しないかなあ......」

「楽しいことを残さず拾い上げること、それがあたしの生きがいよ」

「上から渡せと言われました。極秘情報ということなので、気をつけてください」

「......わかった」


「なぜここで私は誕生日のことを考えているんだろうか?」




 今日という日は、全ては5日後のために存在する。

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