物語は宝石のように美しく、そして優しく

皆さんは前世の記憶ってありますか?
子供の頃不思議なことを口走った人々も成長と共に記憶は消えていくことでしょう。
カナルサテン王国の第七王女アリサは、その例外で大きくなっても前世の記憶をもつ不思議な少女です。そして主人公カイはその前世の記憶の断片を記録する書記官です。
彼女が不思議なことを口走るたびにカイはきっちり書き留めます。アリサが口にしたある言葉。そう彼女の前世は……

二人とそれを取り巻く人々の日々は楽しく穏やかに過ぎていきます。
美味しいお茶を飲んで、心を通わせる者と談笑して。幸せってこういうことなんだよと私は思います。
そうした心温まる物語が描けるのばびぶさんが物語作りに誠実に取り組まれているからだと思います、キャラクターが愛らしくも誠実なのですね。
隅々に作者さまの優しいお人柄と細やかな配慮を感じます。
魔法石や精霊が登場するのですが、それを製造している背景だとか魔法の設定、細かに作り上げられた物語世界もまた魅力です。
読む者に対し心の充実と思いやり、そして夢を与えてくれる物語ではないでしょうか。
手に取ればアリサの記憶と魔法、王族としての儀式、たくさんの魅力ある物語のキーワードを追う旅になることでしょう。

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