第47詩 強く~晶穂ver.~

 強くなりたい

 強くなりたい

 もう二度と 大切なものを失わずに済むように

 あなたの手を 離さず進めるように


 あの 心細くて暗い道

 何も知らずに怯えるだけで 叫ぶことしか出来ないでいた

 面倒だと言いながら あなたは空から飛び降りた

 知りもしないわたしのことを ただ助けてくれたよね

 それがあの始まりなどと 誰が予想などしただろう


 暗く 重い夜空の中で

 誰とのつながりなどもなく 助けも来ない

 それだけのはずだったのに あの声を耳が捉えた


 幾つもの危機と 命の境界

 自分の命さえ危ういのに 何故

 あなたは誰かの為に手を伸ばす? 問えど答えはあるはずもない


 強くなりたい

 二度と手を離さない

 強くなりたい

 失いたくないから

 どんな理由でも構わない その優しさを信じたい


 強くありたい

 強くありたい

 大切な人たちと共に 日常を歩んでいたいから

 いつまでも 共にいられるように


 あの 眩しい日の光の中

 目の前に現れた あなたの姿

 思わず声を失った そのカッコよさは罪だよと

 きみは 目を合わせずに 照れて何処かを見ていたよね

 それが結末からの始まりだと 誰が予言しただろう


 明るく 白い光の中で

 黒髪が 風を受けてなびいた

 それだけのはずだったのに あの瞳に囚われる


 幾つもの惨劇と 生きる意味の迷い

 迷路の出口を見付けた あなたは

 わたしの手を取った もう迷わないと


 強くありたい

 共に歩む未来を

 強くありたい

 その手に掴み取るために

 あなたと優しさに包まれていたい あなたといれば幸せだから




 ―――

 第46詩の姉妹作です。

 所々の文言を変えて、晶穂らしく仕上げたつもりです。

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