死者の心はいずこに

最後まで読ませていただきました。
ラスト、バスの車窓から見えた光景がぐっと来ます。エモーショナル。しかし犯人の末路自体は妥当なものの、それを選んだ彼女の真意を考えると、やはりこの世のものではないのだな、という気持ちになりました。

久しぶりの帰郷、幼馴染みの葬儀、失った過去の記憶、風光明媚な田舎で起きる連続不審死……王道のジュブナイルホラー&ミステリーです。個人的にホラー成分はあまり強くなくて、幽霊が出てくるミステリーといった印象。

彼女が犯人たちの前に現れて自分の気持ちを伝えていれば、こんなことにはならなかったのに……と思う一方、エピローグを見ると結局すべては彼女の思い通りだったのか? とその点を掘り下げると、なかなかゾッとします。

被害者たちの冥福を祈ります……。

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