第11話 昨日の僕に続く



君より大切なものなんて


僕にはないことを知った時


世界に君はもういなくて



ずっと目を閉じていたら


朝、目が覚めたら


ふと振り返ったら


地球を7周と半分旅したら


君のいない景色を取り消せるだろうか



僕はあのころずっとそんなことを考えていた


空想だけが君と僕に優しく、悲しかった



忘れずにいること


それはきっと残された者のわがまま


それでもいい


せわしなく繰り返す日常に流されて


自分すら見失いそうになるけれど


あの日の君を忘れない



わがままな僕を、そっと、ずっと


覚えていて


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