タイトルを制する者はPVを制する!!

 今回の第17話を書くに当たって、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」を調べてみたら、2008年8月から刊行でした(……何と13年も前だったとは)。

 同作は異世界ファンタジーではないものの、自身の中で長めのタイトルを意識するようになった作品だと思います。


 それから時が経ち、なろう系異世界ファンタジーではあらすじを書き写したようなタイトルが主流といっても過言ではなくなりました。

 このことの是非はともかく、「〇〇サーガ」とか「〇〇ワールド」みたいな定番寄りのタイトルでカクヨムや小説家になろうに投稿しても、弱小作家では見向きされない可能性が高いような気がしちゃいます。

 

 自身も異世界ファンタジーを投稿するとしたら、長文タイトルにします。

 それ以外のジャンルの場合は……いったん保留で(笑)


 ここまでは一人のウェブ作家の意見でしかありませんが、このような印象を持つようになる程度には長文タイトルが一般化している今日この頃です。


・時代の流れは長文タイトルがスタンダード

・興味関心が移ろいやすい傾向、読まれない作品はいつまでも読まれない

・まずはタイトルで選んでもらう→タイトルがあらすじ代わりの時代がきた


 すでに各方面で言いつくされていますが、現代はスマホやアプリの発展が著しく、サブスク(定額制の聴き放題・見放題)が一般的になったことで、興味の対象が分散されやすくなっています。

 その結果、「じっくり吟味するよりも面白そうなものをどんどん探していく」という傾向の方が強いのではないでしょうか。

 

 この傾向はウェブ小説にも当てはめることもできそうな気がします。

 一定の水準をクリアしている作品が膨大な数ある以上、ランキングやポイント数を参考にすれば極端な駄作には出会うことは少ないし、探せば探すほど面白い作品が出てくる。

 さらに付け加えると対象が漫画やアニメ、ウェブ小説のいずれかであっても、

「面白いかどうかを判断する時間」が非常に短いため、興味を惹かれないと判断された場合は早々に対象外のリストに振り分けられるでしょう。

 


 先述した背景があるため、小説を書かずに読む専門の人は少ない評価の作品を見に行こうとは思いにくいはずです。

 これはネットショッピングでレビューのついていない商品、作品が選ばれにくいのと似たような現象だと言える気がします。


 読む専門の人がPV数に与える影響は少なくないため、「読まれる作品はどんどん読まれて、読まれにくい作品はいつまで経っても読まれない」というような現象が起きやすくなります。


 本来はタイトルだけでなく、あらすじまでは読みこんでほしいというのが書き手の切なる思いだと思いますが、今回取り上げたような傾向があると難しいですよね。

 自身もウェブ作家として、作品の枝葉の部分を理解して読んで頂ける方が書き手として満足できると思います。


 現状を中心に書いてきましたが、タイトルが読むか読まないかの選択に大きな影響を与える状況は変えることは難しそうです。  



 ――これは仕方がない。


 読んでもらうためには、「キャッチ―で分かりやすくて面白いタイトル」にしなければいけないようだ……涙を呑んで。


「俺の妹は思春期みたいだが、二人で異世界転生したところ、早々に勇者パーティーを追放され、妹は悪役令嬢に、俺はチート魔術師になってモフモフ――」



 ……いやー、長文タイトルをバランスよく考えるのは大変だと思います(笑)


 冗談はさておき、最終的にはどこにこだわるかが一番重要ですよね。

 長文タイトルに抵抗が少なければ取り入れてみてもいいですし、そうでないならばあらすじのようなタイトルはやめておいてもいいでしょう。


 繰り返しになりますが、書く本人が読まれることを意識するなら、トレンドに乗っかることが手っ取り早いです。

 しかし、トレンドよりも我が道を行くならば、書く本人のこだわり重視で問題ありません。


 分かりにくいことなので補足しておくと、必ずしも「こだわり重視」にしたからといって読まれないわけではないと思います。

 こだわりと作品のクオリティが両方とも一定の水準をクリアできていれば、気づいてくれる読み手もいるはずです(トレンドという現実があるにしても)。


 最近、特にウェブ小説の活動について思うのは、「試行錯誤するプロセス」こそが一番重要だということです。

 初投稿で爆発的に読まれるような作品を書ける人は少数であり、読まれるように文章や内容を工夫していく過程を楽しめることは活動の醍醐味だと思います。


 あらすじやサブタイトル、一話当たりの文字数、改行の仕方など……。

 これまで当エッセイでもお伝えしてきたようなことを試行錯誤する中で、書き手として成長することが一番大事な気がします。


 ではそろそろ、まとめに入ります。


 ・長文タイトルがトレンドな中で、書き手本人が何を重視するかが大事

 ・タイトルだけでなくあらすじも洗練された内容にしたい

 ・ウェブ小説は読まれるように工夫するプロセスに醍醐味がある


 今回お伝えしたかったのはこのようなところです。

 次回はあらすじをテーマにした内容で考えています。


 読まれた方の執筆活動にお役に立てば幸いです。

 

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