あなたと一緒にウェイトレスをやれてよかったわ❤

 ダンサブルングの酒場の魅力は、踊り子達の踊りの魅力のみならず、ウェイトレス達の振る舞いにもある。彼女達はウェイトレス業のみならず、料理、食材の仕入れ、酒のチョイスなど、それぞれにもう1種類の仕事を兼ねている。


 踊り子からウェイトレスに転向した女性達も、ウェイトレスの仕事とは別にこれらの仕事も覚えねばならないので、それはそれで大変だと、よく漏らしている者も多い。そんなウェイトレス達の中でも、統括役レセカナが最も信頼する2人のウェイトレスがいた。


 この日も2人は、午前中に食材や酒の手配をしていた。


「メルル~! あのスコッチの仕入れの手配、終わったかしら~?」

「終わったわよぉ~、カレル。あとその合間に、以前から頼んでいたブルーチーズを持ってくるように指示出しといたわぁ~」


 背の高く、亜麻色の肩まで届く髪に深い青色の瞳を持つ第2ウェイトレス長のカレルと、対照的に背が低く、背中まで届く白銀の髪に桃色の髪を持つ第1ウェイトレス長のメルルである。


 彼女達を含め、酒場に合計5人いるウェイトレス長は、それぞれ6人の部下を持つ優秀な存在であり、また、次期統括役候補とも言われる存在でもある。


「流石はメルルねぇ~。先輩にはまだまだ敵わないわぁ~❤」

「私の方こそ、あなたにいつもお世話になってるもの❤」

「ちょ、それは……/////」


 妖艶な笑みを浮かべながらのメルルの言葉に頬を赤らめるカレル。先輩後輩の関係性だった彼女達。今はウェイトレス長としては良き同僚でライバルだが、私人としては非常に親密な仲にある。


「うふふっ、相変わらず照れたところが可愛いわぁ~❤」

「も、もうっ、メルルったら……」


 そう言いながらメルルのへそ周りを指で撫でた。


「ふふっ、触りたくなっちゃった? 夜まで待てないのかしら?」

「でも我慢が出来ないの……//////」


 頬を赤らめ、身体をもじもじさせながらメルルの耳元で呟くカレル。


「仕方ないわねぇ……仕込みが終わったら時間があるから、誰もいない部屋で二人っきりになりましょう❤」

「はぁぁぁ……メルル❤」

「その為にも、頑張りましょう」

「えぇ……❤」


 カレルはメルルに心酔しながらも、彼女の言葉に従い、仕事に戻った。



―――――――――


 午前中の仕事を終え、昼食を取った2人は、早速酒場の3階にある第5休憩室に入っていた。


 酒場には従業員用の休憩室が10以上存在し、休憩時間に自由に使うことが出来る。無論、欲を持て余した踊り子とウェイトレスが、互いの欲をぶつけ合い、慰め合う為に使われることもある。店長のカミーラも、それを理由の一つとして、ここまで休憩室を多めに用意したのだ。


「さぁて、今日はどうやって可愛がってあげようかしらぁ~❤」

「お、おへそを……」

「んんん~?」

「おへそ周りを、可愛がって欲しいわぁ……❤」


 ベッドに腰を掛けながら、隣のメルルのささやきに艶やかな笑みで懇願するカレル。その姿は、優秀なウェイトレス長ではなく、一人の女となっていた。


「ふふっ、だからさっき、私のおへそ周りを触ってたのねぇ~❤」

「そうよ❤ でもぉ、そこからもっとイイトコロを触って欲しいんだけどぉ~❤」

「本当に欲しがりちゃんねぇ~。じゃあ最初はぁ~。制服の裾から見えてる可愛いおへそからねぇ~❤」


 そう言いながらカレルは右手の人差し指をメルルのお腹に這わせ、次第にへそ周りをくすぐるように触り始めた。


「んんっ❤ くすぐったぁ~い❤」

「あなたが求めてたんでしょ~❤ これから一杯イイコトをするにはぁ、焦らさないとダメなのよぉ~❤」


 恍惚とした表情になるカレルに、メルルは夢中になりながら触り続けた。背丈も低く童顔なメルルだが、こういう状況では攻めに回る乙女なのだ。


「そう言えばぁ、あなたと出会ってからもう5年以上になるけど、こうやってあなたと一緒に居るようになったのって、いつからだったか覚えてるかしら? カレル」

「覚えてるわよぉ~❤ ここに入って右も左も分からなかった私をぉ、手取り足取り教えてくれたんのよねぇ~❤ 」


 カレルは酒場のウェイトレスになって間もない頃、3年先輩のメルルの教育を受けていたのだ。めきめきとウェイトレスとしての力を身に着けていく中で、彼女の中で自分をここまで成長させ、そして常に支えてくれたメルルへの思いは日に日に増していき、いつしか好意へと変わっていった。


 対するメルルも、自分よりも背丈が高く大人びた容姿の彼女に当初は戸惑いつつも、一所懸命仕事を覚えようと努力し、メルルも驚くほどの速さで頭角を現していった彼女の成長を喜んだ。そして、いつしかウェイトレス長として出世した彼女に惚れていた。一人の女として、カレルのことが好きになっていた。


 互いにウェイトレス長になってからは、対等な立場として敬語を抜いた関係になっていた2人。こういった関係性の変化も、ダンサブルングの酒場ではよくあること。2人もまた、酒場の雰囲気の中で変化し、成長していったのだ。


「私はこれまで、色んなウェイトレスを育てて来たけど、あなたはその中でも一番成長した子だったわぁ~❤ そ・し・て、私の心まで射止めちゃうウェイトレスになっちゃってぇ~❤」

「私だってぇ、メルルに色々教えてもらったからこそ今の自分があるのよぉ~❤」


 先輩後輩の関係から、仕事を通じて深い関係になった2人。私人としてもいつしか深い関係になった彼女達は、少しでも時間を見つければ、このように互いの心と身体を求め合うのだ。ダンサブルングの酒場に身を置く乙女達は、例外なくこのような関係性になっていく。


「あなたと一緒にウェイトレスをやれて本当に良かったわ。素敵な後輩がこんなに立派なウェイトレスになったんだもの。そして、私の最愛の人になったのよ❤」

「私も、メルルと一緒に慣れてよかったわ❤ あなたがいたからこそ、私はここまで来れたのよ❤ 素敵で可愛い先輩に❤」

「もうっ、カレルったらぁ❤ でもぉ、そろそろ我慢の限界でしょう?」

「えぇ……もう限界よぉ❤」

「じゃあ、始めるわよぉ……❤」


 そう言って2人はそのままベッドに沈み、互いの身体で愛を確かめ合うのだった。


 

 


 


 

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