幸せになるための奇妙な出会い

異国での奇妙な出会いが主人公の過去とリンクし、神秘的な体験が起こります。
現実と空想が混じったようなストーリーで、狐につままれたような不思議な読後感になりました。

過去を悔いている主人公。許せずにいる主人公の心を解きほぐすために、奇妙な出会いが起こったように思います。
好きな人が苦しみに捕らわれているのは、切ないもの。過去の足枷から解放されて前に進むために、出会いは起こったのでしょう。

落ち着いた文章の中に、若い時分の苦しみともどかしさが練り込まれており、それらを背負いながら異国で暮らす主人公。希望の垣間見えるラストに、しみじみとした気持ちになりました。