それはある夏の祭り

どうって事は無い、ある村での祭りである

その祭りには「崇め」と言う意味合いがある


なぁに、古くからの言い伝え…そう思えたのは14回目の村の祭り。

さて、十五回目の村の祭り…いつもと雰囲気が違っていた。


賑やかとは違い静けさが漂う。


そこにぽつんと自分が立っていた

周りには誰もいない、屋台の電気だけが点灯してるだけだ。


おかしいなっと思った俺は、「そこ」を歩いた

足が異様に痺れ、それが前身を拒絶するような刺激…。


足を見れば、寺に繋がる1本の道筋はあるが…目の前には見知らぬ足元があった


「クスクス…」

「だ、誰だお前…」

「足元見ながらそのいい口はないわ、公平君」

「な、なぜ俺の名を…?」

「顔を上げてみなさいよ」


言われるがままに公平は、顔あげると狐お面をした少女がそこに居た。


「君は…?」

「私の名前を知らないのね、可哀想ね〜」


まるで知ってるような口調、俺は生唾を呑んでこう言った


「俺は君とあったことあるのか?」


その問に、かすかに首を傾げて少女はこう答える



そんなはずは無いと思う所で少女は話し出す


「クスクス…私を知りたいなら、せいぜいこの謎くらいには気づかないとね」


ふと気付く公平、周りの静けさ

祭りだと言うのに人の気配はない。

そもそも十五回目の村の祭りは「崇めが変化」するという言い伝えがある。

その意味は、この村に住む少年少女が祭りに来た回数と年齢が一致する。

昔は数え年で十五は十六歳となり「成人」を意味している。


それが何を意味してるのかさえわからない


そして少女は次のように話した


「十五回目の祭り、暁の晩、今宵は宴で活気つく、寺と露店はあかりが灯り、時間さえ忘れ、時を忘れ、我忘れ。丑の刻参の刻、少年少女は全てを忘れ消えゆき、妖に成り果てん」


意味が理解できない、とゆうか…何かの暗示かと思った。

少女は公平の目の前まで歩き、耳元でこう囁く


「君は。終わらない「夏祭り」をーーー繰り返してしまったのだから。」


そう言って少女はその場から消え去った。

公平は、ただただ呆然としながら空を見上げた。


気づけば、激痛は消えていた…。

さっきまでの痛みがうそのように。


_______________


その日の零時、露店の物色は完了した。

特に変わりなんてなかった。

むしろ、何だこの状態って方が勝つ。


なにせ、店主すらいないわけだからだ。


考えながら寺にある階段に腰を下ろす

そして「なんでこうなった」っと小さく呟いた。


「まぁ囚われたらしょうがないわよ」っと言う声がする。周りを見渡すが誰もいない気のせいかと思い視点を下に向いた時…小さな小狐が1匹居た。


「………」

「なに、まじまじ見てんのよ?しばくわよ」

「し、しゃ、喋った!!?」

「……?当たり前の事でしょ?」

「えぇ…当たり前って…」

「あ、そうか…あんたは人間ね。妖と存在は違うわね」

「妖?」

「そうね、あんた達だと…妖怪とかいう存在ただわ」

「あー」

「普通は姿見せないけど、今回は…特別にね。まったくあの子ったら。十五回目の祭りで神隠しをさせない為とか…呆れちゃうわ」

「まてよ、神隠しってどうゆうことだよ!?」

「そのまんまよ、丑の刻参までに何とかしなきゃあんたは連れていかれる」


言葉さえもない、あの世につれていかれるなんてな。想像もしなかった。

だが、突きつけられたのは事実と裏腹にもうひとつある。


「丑の刻参って言う制限時間は、四時って言われてるけど…今あんたの感覚だと零時。あと四時間って言うをまず疑いなさい」

「え?」

「ここはあんたが住む世界とは違う「神或」って言う、神様が念力で歪んだ世界。元の世界とは異なり…時間の流れは通常の半分の速度で流れてる」

「えーと…零時って感覚ならその半分の時間だから…昼の十二時?」

「そう、既に十五回目の祭りは終わってる」

「えっ?!嘘だろ?ついさっきまで祭りが始まったばかりだろ?!」

「だから言ってるじゃないを疑いなさいって」


公平は、ゆっくりと立ち上がり…鳥居に向かって走るーーー。


「あっ!待ちなさいーーー!!」


だが、バチッ!っと言う音が鳴り響き公平は弾き飛ばされてしまう。


「がはっ!!」

「はぁ…簡単抜け出られるわけがないのよ。なにせ、今のあんたの本体は…病室にある」

「病室…?」

「その証拠になったでしょ?さっき弾かれたのは「結界」って言う妖類を弾く…簡単に言えばそう。強固な見えないバリア」

「……まさか?」

「察しがいいわね、そうよ、今のあんたは霊姿体と同じ。普通に生身の人間は弾かないわよ」


公平は、今自分の身に起きてる事を整理する


十五回目の祭りに参加、その祭りには…十五回目で神隠しされてしまう。

十五回目の祭りが終わると、肉体と魂が分離され…丑の刻参になると死ぬ…

恐らくの点も多いけど、今の俺は少なくてもこの祭りに囚われてしまったってことには違いがないのだろう。


まだ謎が多いが…1番の謎は喋る小狐。


その小狐は、公平の所まで行きこう話す


「いつまで寝てんのよ、早く起きなさい。そして…囚われてしまった理由を探しなさい」


公平はゆっくりと起き上がり

「分かった」っと返すのであった

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