チンパンジー


チンパンジー破裂

ぽむ

そんな具合に

毛皮と内臓が入れ替わった

路上で

山の中腹で

ユニクロの駐車場で

ぽむ

ぽむ

ぽむむ

どんどんチンパンジーが破裂した

チンパンジーが足りなくなってきた

だから実験動物としてチンパンジーのクローンを量産した

本物だろうが偽物だろうが関係ない

この世の真理は待ってはくれない

ぽむ

きみも見たことがあるよね

赤信号で待っているとき

調理実習に失敗したとき

おやすみを言って自分の部屋に戻るとき

ふと視線を外したその先ではチンパンジーが破裂していた筈さ

ぽむっ

だからおれたち飽きたんだ

チンパンジーが破裂するということに

それについて議論をすることをやめたんだ

チンパンジーは破裂する

そういったものになったのだ

酸素を吸って吐くようなものさ

ある日、誰かがふいに思い出したように口を開く

「なあ、なんでチンパンジーが破裂してるんだ?」

狂人、扱い


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