これぞ「THE群像劇」! 難しく考えず、ホラーSFとして楽しみました。

言っていることは難しいかもしれないが、それを発しているのは魅力的なキャラクター。
ラノベのように分かりやすい「ヒーロー」「ヒロイン」の居ない「群像劇」を、難しく感じてしまう方は、そう考えてみて欲しい。
私も「群像劇」が取り立てて好きというわけではなく、どちらかと言えばラノベ派だが、魅力的なキャラクターたちとヒタヒタと増殖する青カビのホラー要素で、素直に「ヒィィイイイイ、カビこあい!」「今だ、やっつけろ!」と感情移入して楽しませて頂いた。
ただし、「やっつけろ」は間違いであったと、エピローグで気付かされる。
ラストを読者に託す形で終わることの多い著者だが、今回は珍しくハッキリとしたメッセージが描かれている。
貴方は未来を、誰に託すか?
その答えをぜひ知って欲しい。

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