ヨーロッパの異変(二)とアルファとの激突


前回、潤達はディザードを結界部から引き離すために10門のエネルギー砲を用意した。兵站部部長の矢田は抗議するもアメリカ亡命政府が極秘施設を作っていることを潤に知られており捕まった。

そして一斉発射の準備が勧められた。


「よし、いつでも撃てます。」


「発射準備 5 4 3 2 1 発射」

一斉にエネルギー弾が放たれ、イタリア沿岸部に着弾 大きな爆発が起きた。

その事で結界部近くにいたディザードが一斉に動き始める。


「成功だな。大きな群れが動いたようだぞ。」


「これで破滅だ!!アメリカ亡命政府が黙っちゃいない!!」


「大丈夫だと思うよ。国家共同亡命政府条約違反な上にイタリア亡命政府から国家賠償請求を受けるはずだから」


「くっそ!!! 」

矢田はそう最後言い残して憲兵に連れられていった。

潤達は、結界を修復しながら様子を見ることに


「アルファやベーターはまだ動かないか。まぁ、あれだけのエネルギーだけじゃせいぜい小型、中型の群れぐらいか。」


「そう悲観することでもないさ。アルファたちが動かないなら今のうちに修復作業をしておくだけのことだしそれにクラスのみんなを巻き込む訳にはいかないからな。」


「はーい、これがアイランドパトロール最新兵器のM157C型エネルギー砲ですぅ。これは大型のディザードなら一撃で仕留められるほどの威力を持ちます。」

アイランドパトロール本部広報新井中尉が説明してしながらシベリア支部を回る完全に社会科見学となっていた。


「これで大型を仕留められるのにアルファやベーターは仕留められないんですか?」


「それはです。小型、中型、大型、超大型はそれぞれエネルギー吸収量が違い、自身が取り込めるエネルギー量を超えれば仕留められますがそれよりも少ない場合は仕留められないのです。」


「基本的にディザードを倒す場合、敵の急所となる場所は異なることも多いけどこのエネルギー砲を使えば脳を壊すぐらいのエネルギーを強制的に与えてしまうことが出来て仕留めることが出来るよ。」


「そんな感じなんだね。ディザード退治って」


「うん、もうすぐ結界が修復するからあとはディザードの観察しようか。」


「うん、それでいい?夏姫先生」


「いいよ。危険なことにならないように見ておいてね。」


「分かった。安全なディザードがいるエリアに行こう。」

潤はもふもふした可愛らしい犬のようなひつじのようなディザードの所に連れてきた。


「これがモフドッグルっていうディザードで人間に害がないディザードの代表格で犬のように忠実でもふもふした毛で敵からの攻撃を防ぐんだ。」


「へー 可愛い。この子たちいい子だね。」


「うん、シベリア支部にはこうした人間の害がないディザードを保護していて人間とディザードとの共存を夢みて日夜研究してるんだ。」


「こういう子たちばかりならいいのにね。」


「うん… 残念ながらこういう子たちだけじゃないのが現状だしね。まだまだ遠いかな。それにアルファもベーターももうそろそろ動き始めるだろうし。」

潤は結界部近くに戻り要塞線司令部に入った。


「アルファが動いたか。」


「エネルギー反応に引き寄せられたか?」


「いや、イタリア沿岸部に作っていた極秘施設の何かに引き寄せられている。このままだと旧アメリカ陸軍と大規模な戦闘になる。ちっ…これが狙いか!!」


「どうする。エネルギー砲はあと一発なら撃てる。」


「無駄だろうな。あの動き核爆弾を捕食しに向かっている。」


「まさか!! 核爆弾を食わせて腹の中で爆発させるつもりなのか!!」


「あぁ、それだけじゃない。間違いなく他のディザードも動き始め、ヨーロッパは地獄絵図になる。」


「どうする? そんなことで諦めたりする男では無いはずだと少なくとも私は思ってるが?」


「エネルギー砲を一斉発射 旧アメリカ陸軍が保有してる戦車を爆発させそちらに注目を集めさせる。一か八かの作戦だ。」


「やるしかない。全部隊は旧アメリカ陸軍に備えて警護を強化 学園生徒は司令部内で待機 それが一番安全だろう。モフドッグルも護衛してくれるそうだ。」

モフドッグルが入口を固め、ある程度の食糧、水などが備蓄されている潤が作った世界があるため準備万端 旧アメリカ陸軍に対しての宣戦布告の構えとして発射することになった。


「発射まで 5 4 3 2 1 0 発射」

エネルギー弾が放たれ、旧アメリカ陸軍戦車部隊を巻き込み大規模な爆発が起きたこともありアルファはそちらに目を向けた瞬間、旧アメリカ陸軍が核ミサイルを発射 頭部に直撃し、ギャァァァーっと言う悲鳴叫びながら倒れた。


「大丈夫 アルファクラスがあの程度で死ぬはずがない。」


「直ぐに結界を強化するぞ。超エネルギーインパクトが来る。」

そう言うと潤は魔法結界を強化する特殊な魔法札を貼り、司令部内から全員脱出させ、シベリア支部へと移動をさせた。


「グァァァァァァアァア 」

口に莫大なエネルギーが集められた玉が出来始め、顔を覆うほどの超大型エネルギー玉が完成し放たれた。


「あれが台湾の悲劇… もう一つの要因…」

潤はその場で倒れてしまった。ちょうどエレナの谷間に収まるように…ゲフンゲフン

そのまま3日間目を覚まさず、天照大御神とオリシス、イムホテプ、ポセイドンなどなどの世界各地の神が集まった。


「まだ起きないのか… 潤くん」


「負荷を掛けすぎたんだよ。困った子だな。本当に」


「まぁ、そのおかげで記憶制御魔法が解けちゃったけどね。」


「あぁ、そうだな。」

次回、真実の台湾の悲劇

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