作品名：引きこもり特対法

作者名：金糸雀

性癖：傲慢拗らせ系引きこもりが酷い目に遭う、きょうだいの確執、暴力

　マイナス方向に進んでいった近未来が舞台の『社会にとって害である引きこもりを処分した家族には報奨金を出すよ』という法律が施行された世界のお話。

　主人公である妹が乱暴な口調で内情を語っているのですが、幼少期の経験から引きこもりである兄を内心恐れていて、結局は母親が残した呪いの様に兄を養ってしまっている現状。そこに施行された引きこもり特対法。

　今までされてきた事（※飽くまでも本人の自己申告）をやり返し、徹底的に兄を痛めつけるカタルシスの解放。一方的な暴力は高揚感を齎し、こういった事に慣れてない主人公には甘露の如く染み渡った事でしょう。その興奮は良い経験だぞ。

　そして最後にひっくり返される事実。

　いやぁ、いいですね。今まで一方的に暴力をふるって居た奴が酷い目に会うと言う因果応報もいいのですが、この最後の『実は他人』『無理に養う必要は無かった』という部分がぞくぞくしました。これも因果応報。

　親の因果が子に報うという言葉がありますが、これはもうほぼ呪い。洗脳が正しいのかも？

　直接殴ったりするだけが暴力ではなく、精神を歪ませてしまう事も暴力であると再認識させられました。そうそう、こういうのも性癖だよね。ナイス性癖！

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