この美しくも壊れた世界で

0-1 プロローグ

薄暗い記憶の中。あるのは一つの言葉だけ。


「とうをのぼれ」


これが僕の唯一の記憶。


今はただ眠るのみ。誰かが僕を起こすまで、ただただ独りで箱の中。


ああ、なんてこの世界は残酷なんだろう。


ああ、なんてこの世界は醜悪なんだろう。


それでも美しくあるこの世界を、僕は、壊すことが出来るのだろうか。



これは誰かの約束のお話。唯一つの約束のため、少年は天上を目指す

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