第15話大体わかった

「まぁいいわ。大体わかったし、罪にはしない。調書みたいなこともしてたけど振りだったしね。

街案内してあげる」

あ、でも。

「あと街では口で話すように。みんな

心通できるからさ」


「わかりました」

できる限りのことはします。


しかし、私には解説という大事な役割があった。

そこだけは譲れない。


「ん。でも言葉は選んでね?」

善処します。


状況によっては対処しきれない部分も、、

「そこは私が横やりでカバーするよ」

そのウィンクずるいですよ?


でも落ちません。

何しろアリエス様一択ですし。

「さぁ行こうか!」


ちょっ何でいきなり調書捨ててんのよ!

彼女はゴミ箱っぽい石の入れ物に調書を捨てていた。


せめて誰かに引き継ぐなりして、、

「そんなアナログなこと誰もしないよイマドキ」


あぁいちいち可愛いなぁ!

でもこの人アンシャルでもなきゃ人間でもないんだよ!

「なんでわかった?」


鼻だよ!わかってんだろ!

変なとこから髭生えてるし、しかもしっぽは可愛いし。

「ふふ」

目を反らして照れる仕草も完璧だな!勉強になります!


「匂う?」

不安そうな上目遣い!


負けるもんか!


アリエス様アリエス様アリエス様アリエス様アリエス様アリエス様アリエス様アリエス様


「ふぅ」

「大丈夫?」

だぁ出たぁぁぁ!


「そうですよ。ちゃんと元素分解しないと環境に悪いです」

え?精霊自ら?


木の精霊と憶しき者が足を引きずりながら現れてゴミ箱を漁る。


出てきたゴミを一つ残らず分解しはじめた。


光る粒がキラキラと自然界に還元されていく。


神秘的な光景だが、ここでは別に特別なことではないらしい。


_ゴミ箱漁ってる精霊?

私には何もかもが新しくて特別だった。

木の精霊はその後自分の体に枝を突き刺して、自分を分解しようとして、、


失敗していた。


精霊のクセに?


自分の体を分解し損なって涙目になっていた。


まるで血液みたいに樹液が傷口から滴る。

「もぅ何やってんの?できないことするから」

イスベルクの女騎士さんは慌ててハンカチを持って精霊に駆け寄る。


「いい?キミにはまだ必要としてくれるところがあるんだから、まだ還えらないで。わかった?」


「うん。うん」

泣きながら頷づく精霊に

「人間と精霊は共存できるようになったんですか?」

思わずぽろりと聞いてしまった。


「そうね。あなたたちの時代はまだ精霊も幽霊も似たような者だったものね」

説明するわ。と切り出した女騎士は、

「私達ファーリアでも定着したのはここ100年ほどよ?

特にこのアリエスの恩恵を受けた地域、イスベルク王国領内、精霊指定都市アリカルオニアを中心にね」

精霊指定都市?

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