第2話
俺がエリタルテ・テリーという名前になってから3年が経った。
産まれてから1年程が経った頃に世界の情報を集めていた。
この世界は本当に魔法の世界で、誰でも魔法を使えるようだ。魔法を使うには魔力が必要で、魔力の量や使える属性の多さによって市民か貴族かを分けられる。
魔法の種類は戦闘用や家庭的な魔法まであり、魔法がこの世界で日常不可欠になっている。
そして魔法にも属性があることもわかり、属性は全てで8属性がある。
[炎] [水] [雷] [風] [氷] [聖] [闇]、身体を強化する魔法、[
そして俺は[全属性能力]という、俺しか持っていない力がある。この8属性の全てが使える。
市民達は2属性が使えて、貴族になると4属性を使える。貴族の中でも凄い人なら6属性まで使えるみたいだ。
しかし[刹]の属性はかなり弱くみられていて、魔法を使うのに身体の強化は必要とされていないと言われている。[刹]の属性は魔法であっても魔法の扱いはされていなかった。
この世界に転生してから2年が経った頃に魔法使い以外の職業があることを知った。
[剣士] [守護者] [アサシン] [武闘家]や色々な職業がある。
数ある職業の中で戦闘で最強と言われているのが魔法使いみたいだ。圧倒的なリーチと身体を動かさずに攻撃ができるからだ。
魔法使いに攻撃をしようとしても接近しなければできない。それに引き換え、魔法使いは近距離から遠距離まで全てにおいて高水準だ。
最弱の職業は[武闘家]のようだ。
[武闘家]は戦闘用魔法を使えない人がなる職業みたいで、大体の人は攻撃魔法を使えるので[武闘家]職業の人口がかなり少ない。近距離でしか攻撃をできないし魔法や剣に勝つのは不可能と言われている。
「それなら、[全属性能力]の力を持つ俺は最強すぎるじゃないか」
という時期が俺にもあった。結果的に最悪の展開が訪れた。
父親、エリタルテ・トーレスは魔法使いではなく[剣士]の職業をしていて、母親、エリタルテ・マリルは[アサシン]の職業をしている。
魔法は使えるが魔力の量が他と比べると少ない方みたいで、魔法使いの職業にはなれなかったみたいだ。
この世界では2歳になると教会に行って、魔力の量を調べる。俺は[全属性能力]を持っていることだし、魔力の量も多いだろうと思っていた。
しかし結果は最悪だった。
「エリタルテ・テリー、貴方には魔力の量以前に魔力がありません」
「え…………そんな……何かの間違いでは?」
この世界では誰でも魔力は存在するのに俺には魔力が一切なかった。魔力がないので、魔法を何1つとして使えなかった。
両親は魔法使いの職業ではないにしろ魔法は使える。それなのに俺は一切使えない。
俺は2歳にして絶望した。
魔法使いになると思っていたのにこれでは地球で生きていたの大差ないじゃないか。神様に与えてもらった[全属性能力]の力も全く意味がない。
俺は3歳になる直前に森の最奥に捨てられた。
そりゃあ、魔力がなくて魔法も使えなかったら誰も育てようとは思わないし、育てたとして魔法が使えないので[武闘家]になるしかない。
親に捨てられて俺のこの世界での人生は終わった。
誰もこんな落ちこぼれなんて拾わないだろうし拾ってくれたとしても魔法が使えなかったらまた捨てられる。
俺は森の中にある洞窟で死を待つことにした。
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