第5話 タイムリープ系
んん…
「急に倒れたからビックリしたよ」
母はホッとした表情で方を撫で下ろした。
俺は倒れたらしい。
ここは自分の部屋で布団で寝かせてもらっていた。
「救急で電話しようかなと思ったけどその心配も無さそうだね。」
「あぁ…ありがとう…」
「どうしたの?それで?」
「じーちゃんは…?」
「電話するかい?」
「いや、いいや…」
じーちゃんが生きているという事実さえ確認出来たならそれでいい。
「まぁ、体調が悪い時もあるよな。母さんかぜ薬買いに行ってくるしゆっくりしときなよ」
母はそう言うと立ち上がり寝ている俺を横目に買い物に出掛けた。
「んんーはぁ…」
大きく手を広げて深呼吸をした。
まず今の状況を整理しないと。
まず、向こうの世界ではまだドラゴンが復活していない。
おそらく路地裏でミーちゃんと出会った時がタイムリープのスタート地点。
そこから2日程でドラゴンが復活。
そういえば…最初のドラゴン復活の時は向こうの世界で2日間過ごしたよな…
でも今回の場合は8時間で現実世界に戻っている…
俺がタイムリープした時は【条件】でじーちゃんが死んだ。
1回目はギルドに行ってクエストを受けてそのまま2日が経った。
2回目はクエストを受けずに8時間が経ち現実世界に戻った時は1日前に戻ってる。
向こうと現実の世界の干渉…
…
「あぁ!もう!訳わかんねぇぇぇぇぇえ!!」
頭をかきむしりたくなった。
もう一度寝れば再び向こうの世界に行けるハズ…
少しでいい…
確かめたい…
あの…天使…に…
……
…
「信也が戻ってきたぁぁあ!!」
白い猫が胸元へと飛び込んできた。
ここは宿屋の寝室
俺は椅子に座っていた。
どうやら戻ってきたようだ。
「ずいぶん戻るのが早かったね。こっちの世界では3時間くらいで戻ってきたよ。」
現実世界でも起きて再び寝るまで3時間くらいだろう…
多分、現実世界とこっちの世界は干渉しあってるから時間差も一緒なんだろう…
しいて言えば夜と昼が逆なくらい…
「どうしたの?信也?」
「ちょっと…考え事…」
「とりあえず、自殺しなくて良かったよ…本当に…」
激ムズの謎解き問題を解いているようだ…
ミーちゃんにも聞いてみた方が良いよな…
「ちょっと聞いてくれない?」
「何がだにゃ?」
俺は今起こっている全ての事を話した。
「なるほどね…
1度はこっちの世界で死にタイムリープで復活←これが今
現実世界ではタイムリープの条件で死んだじーちゃんがこっちから現実世界に戻ると1日前に戻っていて死んでなかった事に。。。」
「まぁ…そういう事…」
ミーちゃんは深く考え込んだ後、パッと顔を上げた。
「お手上げだにゃ…全く分からないにゃ…」
深く考えてこれかよ…
「でもクエストを受けた時は2日間こっちの世界に居たんだぜ?
それでタイムリープしてクエストを受けずに普通に8時間経てば現実世界に戻っていた。
「でも仮説は出来たにゃよ」
「何が…?」
「多分だけど、クエスト中はカウントされないんだにゃ」
「クエスト中…?」
「うん、今回はクエストを受けずに8時間が経ったから現実世界に戻った。
タイムリープする前は8時間経つ前にクエストを受けた。
だから2日経っても現実世界に戻らなかったんだと思う。にゃ。」
「じゃあ、タイムリープして条件で死んだハズのじーちゃんが死んでなかった事になっているのは?しかも土曜日が繰り返されてるし。」
「ドラゴンに殺された時はタイムリープで戻った。←これで信也のじーちゃんが死んだ土曜日。
こっちの世界でクエストを受けずに何も無く現実世界に戻った。←じーちゃんが死んでいない土曜日。
これで分かる事は無いかにゃ?」
「…どうゆう事…?」
「簡単に言うと【世界線の移動】だにゃ」
「…はい?」
「こっちの世界でタイムリープして戻った現実世界aは条件で信也のじーちゃんが死んだ。
でも今回はタイムリープせずに現実世界bに戻った。
信也がタイムリープした【世界線a】
信也がタイムリープしなかった【世界線b】
これで分かるかにゃ?」
「つまり土曜日が繰り返されてた理由は…」
「タイムリープせずに戻った土曜日
タイムリープを使って戻った土曜日
だと思うにゃ」
「あーね…」
「信也…?どうしたにゃ…?」
あぁ…
もう…
「訳わかんねぇ…」
バタッ
「ち、ちょっと!信也!?この終わり方前回見たにゃよ!?」
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