あなたが隠そうとした心を暴いてもいいですか
蒼樹里緒
開幕
遥か昔、世界が一つの小さな町だった頃。
町の外にたくさんの魔獣が
魔女は、人々の望みを魔法で何でも叶えました。
人々も魔獣の肉を食べることで魔力が増え、ごく簡単な魔法が少しだけ使えるようになっていきました。
毎日魔獣を狩りながら、人々は魔女に深く感謝し、魔女も彼らを大切にしました。
ただ、魔女の力でも絶対に叶えられないことがありました。
それは――時間や時代を自由に飛び越えて生き続けること。
ある日、魔女は強く願いました。
「永遠に生き続け、神として人々に崇められたい」
欲に溺れた魔女は、自分の血も使い、時間を操る秘薬を研究し続けました。
「強大な魔獣の血肉も加えれば、秘薬は完成するかもしれない」
ある夜、魔女はたった一人で街の外へ出かけました。襲い来る魔獣を容赦なく殺し、魔獣の
同族を狩られ続けた魔獣たちは、魔女や人々を憎んでいました。
長い戦いの末に倒れた魔獣の長は、魔女を激しく呪いました。
「お前たちへの憎しみは未来永劫、世界に留まり続ける。我が命が尽き果てようともな」
魔法を浴びた魔獣の長の
魔獣の長の呪いは、魔獣の肉を一口でも食べた人間の心を
人々は魔獣の肉が食べられなくなり、魔力が薄れて魔法も使えなくなっていきました。
魔女の求めた秘薬は、どんな魔獣の血肉を使っても、ついに完成しなかったのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます