僕の股間が聖剣でカワイイ姫騎士が抜いてくれた。

三八式物書機

第1話 僕の股間が聖剣なんてっ!

 都内の高校に通う普通の男子高校生。

 望月俊哉。

 16歳・・・童貞。

 この年齢で童貞と言うのは恥ずかしい事では無いだろう。

 だが、年齢=彼女居ない歴と言うのは恥ずかしい事なのだろうか?

 否、なんだかんだ言っても高校生レベルで彼女が居ること自体、決して、多数派では無いのだ。

 だが、当然ながら・・・性的な興味は持っている。否、そればかりだ。

 悶々とする中で、彼の意中の同級生が居る。

 冴島真由。

 黒髪を一本に束ねて、腰まで垂らし、知的な顔立ちにフレームレス眼鏡が似合う美少女。学年1の知力と清楚さで、1年生でありながら、生徒会執行部の一員でもある。

 全てが完璧とも呼べる彼女。

 当然ながら、俊哉と同様の事を思っている者は腐る程居る。だが、その多くが思っている事は高嶺の花と言う事だ。決して触れる事さえ許されない存在。そう思うが故に遠目で見ているだけで満足するのであった。

 入学式に新入生代表で式辞を述べた真由に一目惚れした俊哉だが、彼女に告白しようなんて思うわけが無かった。入学式から1カ月が経ち、自分に自信のある何人かは告白したようだが、見事に玉砕している。それを聞き知っている為、自分のレベルで告白しようなんて恥ずかしい真似は出来ないと思った。


 ある日、日直になった為に日誌を書く為、放課後、1人で教室に残っていた。いつもなら、簡単に書いて終わるはずの日誌だったが、今日は色々と連絡事項がある為になかなか終わらなかった。

 「くそぉ。面倒臭いな」

 俊哉は書き込みをしながら、早く帰りたいと思っていた。彼はどの部にも委員会にも所属しない完全なる帰宅部だった。これは小中学校でも同じだった。彼の弛んだ身体はまったくの部活未経験者を物語っている。

 不意に静かな事に気付く。さっきまではグラウンドから聞こえる部活の声や音が聞こえていたが、今は何故か無音だった。

 「何だろう・・・耳がおかしくなったか?」

 俊哉はまったく音がしない事に軽く驚き、耳の調子を疑った。その時、不意に女性の声が彼に掛けられた。

 「安心してください。結界を張ったので、ここは世界が隔てられていますから」

 俊哉は声の方を振り返った。そこには真由が立っていた。いつもながら落ち着いた雰囲気で彼女は俊哉を見ている。

 「えっ・・・あの・・・何か?」

 同級生とは言え、彼女と俊哉は教室が違う。何故、ここに真由が訪れたのか。そして、何故、声を掛けられたのか。俊哉に思い付く事は無かった。

 「望月俊哉さんですね?」

 真由は静かに俊哉に呼び掛ける。それに更に驚く俊哉。

 「えっ・・・は、はい。そうですけど・・・」

 「そうですか。なるほど・・・少し失礼しますよ」

 真由は俊哉に近付いてきた。俊哉は何事かと思い、立ち上がる。彼は素早く迫る真由の姿を凝視しているしか無かった。そして、彼女の顔が間近に迫る程に相対した時、股間が強く掴まれる感じがした。

 「ぎゃ」

 あまりの感触に俊哉は短い悲鳴を上げた。突然、股間の男性器を掴まれれば、誰でも同様の反応を示すだろう。

 「確かに・・・これは・・・」

 俊哉の男性器を両手で掴みながら、真由は何かを確かめていた。だが、その触り方はあまりに無遠慮で、力の加減を知らないので、俊哉は痛みに負けて、真由を突き放す。咄嗟の事に真由は少しフラつきながら俊哉から離れる。

 「な、何をするんですか?」

 俊哉は驚きの余り、大声で怒鳴ってしまった。

 「あっ・・・すいません。つい・・・先にちゃんと説明した方がよろしかったですね。あまりに無遠慮で申し訳ありませんでした。何分、こんな事をするのは初めてだったので」

 真由は丁寧にお辞儀をして、謝った。俊哉は何が何だかわからず。ただ、困惑するしか無かった。そんな彼の状況を無視して、真由は説明を始める。

 「実は私は先祖代々、鬼を狩る家柄でして・・・巫女として、務めてきましたが、新たに姫騎士なる身分を仰せつかりまして、それに際して、聖剣を手に入れる事になりました」

 真由の説明に俊哉はまったく理解が及ばなかった。だが、それを無視して、真由は説明を続けた。

 「つきましては望月様は神から選ばれた聖剣の持ち主である事が判明しまして、こうして、お迎えに参りました」

 「せ、せいけん?何それ」

 「なかなか理解するのが難しいのは解ります。古より、鬼や魑魅魍魎を封ずるにも力の源である性器を用いるのは日本も西洋も同じだった。つまり、性器には神の力が宿り易いのです。私たちはそれを利用して、鬼や悪魔と呼ばれる悪しき存在を打破しているのです」

 「せ、性器?鬼?悪魔?何を言っているんですか?」

 困惑が絶頂となる俊哉。最早、これは夢だと思う有様だった。

 「理解は難しいでしょうね。故に実際に体験してみる方が良いかと思いまして」

 真由は再び、俊哉に近付く。

 シトラスの香りが漂う。白い指が再び、俊哉の股間に伸びる。それを遮ろうと俊哉が両手を伸ばすより先にチャックが下ろされ、手が中に入った。途端、俊哉の男性器がその細い指で掴まれる。今度は先程みたいに強くでは無く、優しかった。

 「凄い・・・こんなに大きいのですか?」

 真由は驚いたように目を丸くする。俊哉からすれば、誰と比較してなのかと思ったが、事実として、彼の男性器は同級生達と比べて大きい。太くて、長くて、しっかりと剥けている。立派な物なのだ。特に冴えない普通の男子である彼だが、これだけは自慢が出来る物だった。

 「あ、あの・・・とりあえず・・・大きくしてくださりませんか?」

 真由は恥ずかしそうに俊哉に頼む。大きくしてくれと聞いて、俊哉は恥ずかしくなる。真由も顔を赤らめているが、俊哉も顔を真っ赤にした。

 「お、大きくって何を言っているんですか?」

 再び、怒鳴ってしまった。だが、真由はそれに動じず、細い指を小刻みに男性器に這わせて、動かす。その動きは彼がいつも自分でやっているオナニーとはまったく違う感触だった。緊張と恥ずかしさと混じった中で、他人に触れられるという新たな感触が彼に何とも言えぬ快感を与えた。

 「うぅ」

 呻いてしまった。恥ずかしいが、耐えるだけで手一杯だった。俊哉は必死に声が出るのを我慢する。だが、快感は萎えていた彼の男性器に血流を与え、海綿体を満たしていく。

 「あっ」

 真由が驚きの声を上げる。同時に俊哉の男性器は一気に倍近くの大きさに膨らんだ。それは角度を上げ、チャックから外へと飛び出した。

 「これです。この事です」

 真由は大きくなった男性器を両手で握る。両手で握れる程に彼の物は大きかった。

 「ぬああああ」

 その感覚に更なる快感を感じた俊哉は自分の脳が吹っ飛びそうだった。刹那、身体が輝き出す。何事かと思う時には身体は別の形に変化していた。

 意識はあるが、手足が動かせる感じじゃない。身体全体が何か堅い物に覆われたような否、変化したようだった。

 真由は両手で握り締めた。それは一本の大剣であった。刀身は真由の背丈程もあり、鋭く尖った切っ先を持つ、両刃の刃。

 「凄い・・・こんな立派な聖剣は初めて見ます」

 真由は驚いていた。だが、一番、驚いているのは俊哉である。その剣こそ、俊哉そのものである。意識はあるが、何も出来ない俊哉。ただ、男性器だけは相変わらず、真由に握られている事がはっきりと伝わる。

 「これが聖剣です。あなたは今、聖剣となっているのです」

 真由に言われても理解の範疇を超えているので、俊哉は困惑するしか無かった。

 

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