その「祭り」は、祀られる者の生き様をひっそりと映し出す。

主人公の107歳になる祖母が亡くなった。
主人公はそのお葬式へと向かう。
少しだけ違うのは、神道での儀式である事だけ。それ以外は普通のものと代わり映えはしない。

そうではあるものの。
それは、他人の葬式とは多分少し違ったのだ。

***

こう、胸に「くる」話。
時々予想だにしない時に出会うと、ズシンと深く刺さる。
派手でもなく、でも無駄にしんみりもさせない。
それでもなお、緩やかに沁みてくる物語。

きっと、時々ふと読み返したくなるかもしれない。
そいうった種類の作品でした。
本当に、静かに沁みます。

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