【英訳書籍化】ビースト † ブラッド ー 野人のつがい ー

文野さと(街みさお)

第1話  0. 登場人物、世界観

<主な登場人物と世界観>



◆ユーフェミア・アシェインコート

生物工学バイオテクノロジーの研究者。実用植物専門の20歳。ゴシック・シティの官立生物研究所に勤めている。前向きだが不器用な努力家。夢はこの世界に広がる<ナイツ>と言う麻薬の禍を撲滅する事。濃いめの金髪にライトグリーンの瞳。ゴシック・シティ市長、エリカ・サイオンジは異母姉。姉を尊敬しており、自分の外見が派手だと気にしている。アシェインコートは母方の姓。



◇ゼライド(ゼル)・シルバーグレイ

野人の青年。フリーの用心棒。じゅうハンターでもある。年齢不詳。銅色の肌に銀灰色の髪を持つ野人(シルバーグレイの姓はここから来ている)。野人の中でも優れた身体能力と五感を持つ。一見、周囲に威圧を与えるほどの強面美男コワモテイケメン。翼竜型の獣をペットにしている。(放し飼い)



◆エリカ・サイオンジ

ユーフェミアの異母姉。38才。ゴシック・シティの敏腕市長で元警官。黒髪に茶色の瞳。職務への責任感が強く、犯罪件数を減少は公約の一つ。一方で、年の離れた異母妹のユーフェミアを気遣う優しい姉でもある。



◇ウェイ・リンチェイ

ユーフェミアの友人で警察官(少年課)。学生時代ユーフェミアにフラれた経験あり?



◆クロイツ・バルハルト

ユーフェミアの属する研究室の室長。辣腕で将来の所長と言われている。



◇アキオ・ムラカミ

バイオテクノロジー研究所の所長。あまり表には出てこないので職員でも良く知らないものが多い。個性的なしゃべり方をする。



◆ロナウド・ガルシア

ユーフェミアの同僚。



◇ソニア・マルセル

ユーフェミアの同僚。



◆パルミナ・ニールセン

ゼライドのエージェント(代理人)。30代前半の才色兼備な女性。



◇ヴァルカン・アシンメトリー

ゼライドの同業者で同じく野人。金剛力を持つ。左右で眼の色、眉の形が違う為、この姓がついた。



◆アーサー・モリナー

ロマネスクTVの有名なプロデューサー、自身もタレントを務める。



◇ジッグラト・ハイドン

ゴシック・シティ議会の有力議員。エリカの政敵。大きな流通会社のCEOで、TV局のオーナーでもある。



◆ハリイ・インガルス

ゴシック・シティ議会の有力議員。エリカの政敵。郊外に大きな農場を持っている。



◇マヌエル

野人の女。娼婦を生業とする。ゼライドの昔からの馴染み。一人息子がいる。



<用語・世界観>※増えたり、微妙に書き変わる場合があります。割と適当です。




●世界(この世界)

舞台となる世界。一日の内、夜明け前の約一時間、必ず雨が降る。それ以外の降雨はない。平原に大小の都市が点在し、都市によって様々な特色があるが、ほとんどは市制で、市長の権限の大きな街はまるで都市国家の様相である。それぞれの都市はフリーウエイ等で繋がっている。巨大な都市ほど清潔で未来的なイメージだが、混沌とした部分も内包し、犯罪も決して少なくはない。都市の周辺は整備されているが、遠ざかるにつれ、無法地帯の荒野や峡谷が広がる。特に都市部から遠く離れた「森海しんかい」には、じゅうと呼ばれる危険な生物群が多く潜む。

この世界に対し、旧世界と言う場合は、かつての人類が暮らしていたと言う母星を指す。


※言語は共通。通貨単位はイン(円と同じ価値)。


○人間

この世界を支配する人類を指す。三千年ほど前に世界に移住してきた人々(旧世界の人類)の子孫。長い間に先住人と混血が進んだ。髪や肌の色が同じ人々が住む都市もあるが、大きな都市では様々な人種が混在している。基本的に実力主義で人種間での差別はない。



●野人(やじん)

獣人と呼ばれる場合もある。一万人に一人の割合で出現する人間の亜種。混血を重ねて滅んだこの世界の先住民族の遺伝子が隔世的に現れるのではと推測されている。基本的に体格、身体能力ともに人間より優れているが、超人と言う訳ではない。普段は忍耐強いが、時として非常に攻撃的になる事があり、過去に凶悪犯罪を引き起こした野人もいる。その為、人間からはよい存在とは思われていない。見た目では人間と区別しにくいが、犬歯がやや尖っていることと、暗闇で瞳が光るのが最大の特徴。平均寿命は百年ぐらい。病気や怪我をしても回復力に富む(人間の約二倍ほど)。しかし、その生態は彼らが人間に余り接しようとはしないため、未だ知られていない事も多く、一部の学者からは研究対象とみなされている。ゴシック・シティには現在およそ二百人くらい存在しているらしい。



○先住人

この世界をかつて支配していた種族。人類とは遺伝子レベル(染色体の微細な配列差)で異なる種。野人の祖先と言われ、身体能力は優れていたようだが、文化程度は新石器時代ぐらいで、人口も少なかった。その為、人間の出現後、殺されたり、混血したりして、約五百年の時を経て人類に吸収され、滅んだとされている。文字を持たず、有史以前の記録が殆ど残っていない。



●夜光花

その種子から中毒性の強い麻薬<ナイツ>を抽出できる一年草。乾燥地帯にまとまって生育する。一年に一度、真夏の新月の夜に開花し、花弁がほんのりと光る様子から付けられた名前。



○ナイツ

<ナイツ>と表記。夜光花の種子から出来る麻薬。この世界の|禍(わざわい)の一つ。中毒性が強く、この世界に蔓延し始め、人々を苦しめている。犯罪組織の資金源にもなっている。



●獣(じゅう)

主として森海に住む、肉食の生物群の総称。近年は平原や都市の近くに出現する事が多いと報告されている。哺乳類形、爬虫類形、鳥類形などがあり、大きなものは成人男子の二倍の体高をもつ。多くの場合、その皮や骨は高価に取引される。又、一部の獣の肉は非常に美味で高級食材となる。

ビジュール:すらりとした二足歩行の爬虫類型の獣。金属製の光沢をもつ鱗に覆われていて美しいが、攻撃性の高い獣。また、芳香を発して獲物をおびき寄せる。かなり珍しい種類。

キャンサー:サルほどの大きさの哺乳類型の獣。繁殖力が強い。常に20~30頭の群れで森海を移動し、狩りをする。

ティプシロクス:翼竜型の小型の獣。薄い被膜のような翼でかなりの飛行力を持つ。魚や鼠等の小動物を捕食する。ゼルがペットにしているのはこの種。



○生物工学研究所

ゴシック・シティの郊外にある最新設備の整った広大な研究施設。ユーフェミアの勤務先。食糧資源開発、環境浄化など、その研究テーマは膨大である。旧世界から残された様々な動植物、菌類なども管理している他、獣や夜光花等、この世界独特の危険な生物群の厄災を緩和する研究も担っている。



●ハンター

危険な獣や犯罪者を独自に捕縛したり、それらの禍から依頼者を警護する許可を与えられた職業。警察組織からは独立した制度ではあるが、状況に応じて臨機応変に対応できる為、政府や個人から密かな依頼を受ける場合もある。野人が携わる事が多い。



○ゴクソツ

野人を忌むべきものとして憎み、手段を選ばず排除しようとしている非合法な組織。合法的なハンターとは別物。全貌はまだよく分かっていないが、野人に家族を殺された人間達が母体となって作ったと言われている。ゾクを下部組織として使う事もある。普段は何食わぬ顔をして市民生活を送っている者もいる。


●ゾク

主にアウトサ―クルに拠点を持つ、大きな町には必ずある犯罪グループの総称。平均10人前後の構成員からなる。自分たちだけでは大きな儲け仕事にはありつめないため、ナイツを売買したり、ゴクソツに雇われたりする事が多い。



●ゴシック・シティ

ユーフェミア達の暮らす人口五百万の大都市。エリカが市長を務める。ほぼ円形をしていて、巨大な要塞のよにも見え、中心部には多くの美しい尖塔をもつ市庁舎がそびえている。故に|この名(ゴシック)がある。それを取り囲むように、サークルラインと言われる高速道路が同心円を描くように三重に走り、それぞれセンターサークル、ミドルサークル、アウトサークルと呼ばれる。センターサークルの内側は行政組織が多く置かれ、ミドルサークルの内側には高級住宅地や主な教育施設が存在する。アウトサークルの外側は所謂下町で、中には治安の非常に悪い地区もある。街自体はいくつもの大きなフリーウエィの交錯する場所に位置し、交通の要所なので人や物の流通が非常に盛ん。一番大きな門はフォザリン・ゲートと呼ばれ、この街の象徴にもなっている。郊外に広大なバイオテクノロジー研究所や、農場、牧場、精密機械工場を持つ。



○ロマネスク・シティ

ゴシック・シティの隣の町。ゴシック・シティの半分ほどの規模。車で半日ぐらいの距離。



●アジャンタ・シティ

南辺境に近いの小さな町。有名な大学がある。牧畜や農業が主たる産業。

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