12(解決編)

「いつから気付いていたのかな?」

 正直、隠れていることがばれる様な真似をした覚えはない。

「ああ、気付いてなんかないわよ。ただ、きっとどこかにいてこの部屋の様子を伺っているだろうとは思ったから」

「つまり、勘みたいなものだったわけだ」

「まあね、きっとあなたなら、無実の人が犯人呼ばわりされるのを黙って見過ごすことはできないだろうと思ったから。自分が狙った相手ならともかく、ね」

「ああ、やっぱりそこまでばれてたか」

 そんな気はしていた。彼女の推理が与えられた情報を真実へと削り取っていく様を見ていれば、そうでないと楽観することなんて出来やしなかった。

「ええ、あなたが狙ったのは柳沼先生だったんでしょう?」

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