第3話 イケメンって難しすぎる

「悠〜おまたせ〜」

「拓!で、なにすんだ?」

家に行ってやる事なんてなんかあるのかよ、髪を切るなら美容室とかだし……

「まぁまぁ着いてからのお楽しみ!」

「なんだそれ、いいけど」

そういえば髪型なんて気にしたことなかったよな

そんな、髪型変えたくらいでイケメンに近づくのかよ

「あ、そうだお前、いくら予算あるんだ?」

「予算?」

「服とか色々買うだろ、その予算だよ」

「まぁ貯金とかあるし、それなりにはあるぞ」

なるほど、予算か。そんなの考えてもいなかったな。

「じゃあ大丈夫だ!」

「うん」

「そろそろ着くぞ」

拓の家ってここら辺なんだ、学校では少し話すくらいだし、知らなかったな

「ここが……家?」

「そうだ、どうした?」

「いや、ここ美容室じゃん」

「だから、髪切るって言ったんだろ」

「そうだけど……」

「とにかく!早く行くぞ」

「うん!」

まさか、家が美容室なんて、そんな事あるのか?

あるか……

「ただいま〜お姉ちゃん、こいつの髪切って」

「え?拓……お姉ちゃん居たの?」

「なんだよ、姉くらい居るだろ」

「そ、そうだよな」

意外だ……お姉ちゃんが居たなんて

「初めまして〜紗結です〜」

ふわふわしてる……

「は、初めまして、悠です」

「じゃあそこに座ってもらっていいかな?」

「はい」

美容室ってこんな感じなんだ、でも髪型なんてわかんないし、どうしたらいいんだ?

「お姉ちゃん、こいつイケメンになりたいんだって」

っ!それは言わなくていいだろ、あ〜なんか恥ずかしい……

「イケメンね〜任せて!」

「じゃ、後はよろしく〜」

「おい、拓!どこに行くんだ」

「ちょっとね」

気まづい、せめて拓がいてくれたらいいのに

「悠くん、どんな髪型にしたい?」

「あ、え、えっと髪型とかよく分からくて……」

「なるほど、じゃあ…おまかせでいい?」

「はい、お願いします」

おまかせ、どんな髪型になるんだろう、楽しみだ

でも、本当にイケメンになれるのかな、自分で言ったけど不安ななってきた……



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



勢いで明日なんて言っちゃったけど、お昼一緒に食べてくれるかな?でも食べてくれないと……

「あ、美希!」

「ん?どうした?」

「どうしたら悠とお昼一緒に食べれるかな?」

「それはね、ちょっと耳貸して」

「うん」

「コソコソ」

「なるほど!それならきっと」

「うんうん、まぁ明日頑張ろう!」

美希!天才じゃん、きっと、きっとこれならまだ私にチャンスあるよね!まだ頑張れるよね

明日が楽しみだな〜

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