きみの嘘、僕の恋心~コンコンとポンポン

大月クマ

1日目

 これは昔々のお話――。

 森の中でキツネとタヌキが鉢合わせをしています。


「アタイに勝負?」


 すました顔のキツネに、ちょっと太めのタヌキ。

 どうやらタヌキが、あることをキツネに挑もうとしているようです。


 どちらが化けるのが上手うまいか。


 タヌキの提案は明日、森外れの街道でどこかに化けている。それを見つければ一点。

 翌日、今度は反対が化ける。そして見つければ一点……と、月が丸くなるまで続けて、どちらが多く点数を取るというもの。


「僕からの挑戦は難しいかい?」


 いつも人間を化かして自慢をしているキツネ。そして、自尊心プライドの高いキツネが見下しているタヌキからの挑戦を受けないはずがないでしょう。


「そんなわけないでしょ! 勝負してやろうじゃないの!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る