第3話 積本がある訳じゃないんだけど

 本がたまる。

 

 ワタシは「読む本」しか買わないし、基本買った本はその日のうちに読んでしまう。

 なのでまず「積本」は無い。

 「積みCD」はできてしまっても本は。

 なのにともかく溜まる。とりあへず「お前は何処の学生だ! 院生だ!」という程度には。


 そりゃ京極堂には及ばないし質も違うが、マンガに関してはともかくたまる。


 小説はもう最近は滅多に読まない。買うのは新書が多い。単行本の時もある。


 ともかく何かの物事にはまった時にはその関連事項の本を探し回ってできるだけ低い価格で買う、ということが身につきすぎてしまってるのだ。

 たぶんその一番とっかかりは、90年代ビジュアル系(というより某2バンド)にはまった時だ。

 彼等が出る雑誌を本屋でこれでもかとばかりに毎月買い求めた。で、彼等の記事をファイリングして、そこから「中の人」―――彼等が外に出しているキャラを探るという作業が大好きだった。最終的にはモデルにとった小説を書いてた。二次創作というよりは、1.5次創作という感じだった。

 ……いづれ出します。はい。


 この作業が後に大学院に行きだした時にもの凄く役立った、というか、そのまんまだったことは言うまでもない。


 まあ研究だけではない。「日航機墜落事件」に関して興味が異様に向いてしまったら、関連本をトンデモ陰謀から歯科学会の何とやらまで集めて、「つまり本当の結論は判らないわな」というとこで納得いくまで集めてしまうのだ。


 「乙嫁語り」→パンづくり→となった時には、色んな国のパンに関するものだったり、日本における「地方の食事」の本の中に小麦粉を焼くものは無いか、に興味が広がってしまって、そのシリーズをまた中古で探しまくってできるだけ安く()

 そしてその一方で「天然酵母って何じゃー」から、「もやしもん」に飛び、農家の工夫に関する本に飛び、手持ちの「主婦之友」戦中の厳しい食料事情におけるパンづくりに飛び。


 ……で、そのノウハウで大学院で吉屋信子を研究していたら、何とか論文が査読通って載ったりもしたし、個人的に納得がいったので、「ま、いっかー」になった。そして「ま、いっかー」になった以上、研究は終わりになる。そもそもが怨念系な研究なんで、それ以上進められないんだな。

 「何た変だ」「いやこれ何か違うだろ」から始まった研究っていうのは、「このひとの正体を暴くぜ!」というベクトルに進んで、「ここを評価したい」にはそうそうなれないので、ここいらで止めておいたほうがいいのだ。


 ちなみにマンガが増えるのは簡単だ。

 たとえば弱虫ペダルに「今頃」はまったら。もの凄くブームな頃よりは中古が出回る時期なのだ。

 で、まとめて買う。

 ああいうスポーツものはともかく勢い一発読みができるので一日二日で読めてしまう。

 無論それからも何度も何度も繰り返し読んだりしてるけど、そもそもの巻数が多いものを一気に安く、というのは…… 相当甘い蜜だ。


 ところでマンガでない本は大概その「納得」の時点でもう不要のものになっているんだが。残念ながらワタシはそういう本をこれでもかとばかりに線引きしているから売れるかどうかというと……

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