第6話 ポンプとパネルと俺と「ヤツ」
「電気は屋上の太陽光パネルが活きてたら最低限の設備が動かせるんだが。せめて
(揚水ポンプとは何ぞ?)
頭の中の「ヤツ」が尋ねてくる。
「あー、低いところにある水を高い所に上げるポンプだな」
(井戸のアレじゃな)
「んー、まあそれの電気で動くヤツというかなんというか」
(電気とは何ぞ?)
「あーもう! 電気の話はまた今度な!」
「ユーマ様、大丈夫ですか? 頭、大丈夫ですか?」
ブツブツ独り言を言っている――ようにしか見えない――俺にアイが無表情に言った。
「大丈夫だ心配しなくていい。あと言い方をもうちょっとマイルドにしてくれると俺は嬉しい」
俺はアイを伴って非常階段で屋上まで登る。館内巡回のワークスケジュールがあるため、慣れているとはいえやはり階段はつらい。歳のせいか。
――結論、太陽光パネルは生きていた。ついでに
あの時の設備投資が
「あとは湯をどう沸かすか……。それと部屋の清掃と、うーむ。どう考えても人手が足らん」
(ほう、手が足らんのか)
うむ、どうしたもんだろうか。
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