第8話 絶対防御
「
放出されたエネルギー体から逃れた
「八坂君!!!!」
「行っちゃ駄目、
「動かないで、
「離して……離してよお!!!」
泣き叫ぶ声が空中へ霧散する。”最強の息子“で勝てないなら自分達にはどうすることもできない、そんな気持ちがこの場にいる全員の心を駆け巡る。泣き叫ぶ者。絶望する者。そんな声すら遮るように放たれた続けるエネルギー体。
───待て、何故そこまで打ち続ける必要があるんだ…………?
───
「氷継ィィィィ!!!」
刹那、空間が歪み
「すまん、準備に時間がかかった」
その男は顔だけ後ろにいる
「ちょっと遅すぎませんかねぇ…………
黒いスーツに黒いコートを羽織り、黒の防刃防弾手袋をはめた、オールバックの男、
「全く、親子揃ってよくもまあ突っ込んで行くなあ……ハァ……」
───流石に【星座級】とまでなるとキツイか……
やつは埒が明かないことを悟ってかエネルギー体の放出やめた。砂埃が立ち込め、それを
「
「八坂君!」
「ッ!校長先生!!!」
やつが次なる攻撃を仕掛けるために
「【
左手をコートのポケットに入れ、右腕を突き出し言葉を紡ぐ。
空間や重力、理その物を司る力、それが【
=
───バアァァァァァァァァッッッ!!!!
苦しみに声を震わせ奇声を上げる。起きあがろうと踠くが、のしかかる重さに耐え切れずに、ブチブチッと体の至る所から肉の裂ける音が鳴り、赤黒い
「これが、校長先生の…………
周囲にいた一人の女子生徒が感嘆の声を漏らす。
星承十戒。序列から逸脱した世界の、領域の秩序を守護するために産まれた十人の【調律者】。それぞれ異名を与えられた者───
ちなみにだが、その下に使えるのが、
徐々に負荷の数値を上げ、バキバキと音を響かせ血しぶきの勢いが増していく。気がつけば、左腕の結合部分は重力に耐えきれず、本体と潰れるように別れ、
「=
重力操作によって創り出した透明な五発の弾丸を、空間干渉によって相手に向け射出できる、それが=
迫り来る猛攻に、素早く五発の弾丸を射出する。ならんで正確に脳髄目掛けて放たれた弾丸は全てヒット。そしてめり込まれた弾丸同士がふれ合えば───破裂する仕組みだ。
激しく轟く爆発音。巻き散らかる
「あれが、本物の強者……なのか?親父は…………それ以上だって言うのか?」
しかし、息絶えることはなく、再び行動を開始した。
───やはり駄目か…………手はあるが、決め手に欠ける………………
ここまでの戦闘で彼は圧倒的な防御力を誇っていることがわかっただろう。しかしその反面、攻撃力が低いのだ。彼は魔力適正値、エーテル適正値が共にA+とかなり高いが、保持量がBとかなり低い為だ。
───ッ!そういうことか!!
「
「校長先生じゃあいつは倒せない。攻撃力が低すぎるんだ。それがあの人の弱点」
「……確かに、さっきの攻撃も確かに威力自体はあいつに勝てる程の物じゃなかった」
「防御力に全振りしてる異能ってことだ」
「じゃあ、校長先生じゃ倒せないってことだよね?……どうすれば」
「まあ、そこは俺らの出番ってことだ」
「そうなるよねぇ……」
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