【恋愛】「憎い」「明確な言葉」「心臓」

 愛情と憎悪は紙一重だ。

 可愛さ余って憎さ百倍ということもあるし、その逆の場合も時として起こり得る。

 いずれにしろ、それは身を焦がすような温度で、息が詰まるような重さで、声が出なくなるほどの衝動で、心臓が鷲掴みされるに等しい、あるいはぎりぎりと絞られるほどの痛みを伴うのだろう。

 だって、自分でさえ一瞬前まで自覚していなかったのだから。

 自らの支配下に置けない激情を、飼い慣らせない情動を、ぶつける以外にどうすればよかったというのか。


「どうして裏切ったんだ……?」


 その問いに対する明確な言葉を表すとすれば、それは。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る