恋だとか愛だとか

恋だとか愛なんてものは要らない

ただ、虚しくなるだけだから


「月が綺麗ですね」

いつものように君は言う

本心だったと思う

その日の月は、ほんとに綺麗だったから


変なことを口走ってしまいそうだった

好きだ、だとか

愛してる、だとか

そんな言葉は要らない

私には勿体ない


気付いてよ

答えてよ

心が叫んでいる

はちきれそうだって叫んでいる

こんなにつらいのに

何でスキになっちゃったんだろ

目から水が溢れ出た


「ほんとに綺麗、だね」

目元を拭いながら言う

君はハッとしたような顔をした

そんな顔、しないでよ


恋だとか愛だとか、私には要らない

寂しくなってしまう

愛に囚われてしまう


永遠を誓おう

その意味を込め、私は彼の首筋にかぶりつく

月明かりに照らされ、私の口元はキラリと輝いた


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