第24話 長谷川等伯の一族 カノンという悪魔

 

 カノンと言うのはキリスト教の聖典の意味でもあるが、世の中には悪魔ような河童妖怪もいる。


オカッパ頭の「禿かむろ」「かぶろ」とかと言う存在は平清盛一族の罵詈雑言を言う民を見つけ、六波羅につき出させていたと言う。

嘗ての悪魔教団、オウム真理教が関与したのではないかと捜査された国松警察庁長官狙撃事件。

悪魔教祖の麻原彰晃の次女とされる男が弓道の弓を仕舞う袋に狙撃銃を潜ませ、国松長官を狙撃したのではないか?

京都アニメーション放火殺人事件で、ツルネという高校弓道部のアニメの5話のシーンで弓道部員がスーパー買い物シーンで弓を仕舞う袋を肩に下げている文章表現の中に、弓を仕舞う袋の中に狙撃銃を仕舞えるという文言があったなら?

盗作されたと訴える青葉容疑者の裁判。

織田信長を二回狙撃しようとした男が、捕縛され道の土の中に立位状態で埋められ、首だけが出され、その道を通行する人間に竹鋸たけのこぎりでその男の首を挽かせたと言う。

杉谷善住坊。

近江守護大名の六角義賢の支配を受けていた甲賀随一の鉄砲達人。

1570年元亀元年朝倉 義景よしかげ討伐の際、義弟浅井長政が朝倉方についた事で信長は敗走。

殿軍を任されたのは木之下藤吉朗秀吉だった。

狙撃失敗した杉谷善住坊は1573年8月に琵琶湖西岸の高島で捕縛。

立ちながら地に埋めて、七日が間、竹鋸にて首引き千切れ……。

総見記の記録。

五日いつか目にて善住坊絶命。


すみ殿」


英瑠の視線の先にある存在。


孤高のスナイパー。


悪魔のような国家転覆狙う悪魔教団の中で独裁者のように振舞い、小柄な体躯を隠しながら知的レベルが常人に劣る白痴の子供を操ろうとする悪魔は、彼らの心に植え付けるワードを繰り返させる。


信長の甲高い声は京都の端から端まで響いたと言うが。

彼らに悪魔の言葉を植え付ける存在は、その甲高い声を虚無僧の尺八の中に潜ませているのだ。

子供達を操ろうとするハーメルンの笛吹。

高周波の犬笛を使う術で人の心に侵入し、心の中の声を操ろうとしているのだ。



「差助!」


「最後のお握り、犬に食べさせてももいいの?!」


英瑠の着物を綻びを針で繕う蛍。


「最後のお結び……」



住殿と呼ばれた僧侶が火薬を薬壺で捏ねながら、犬にお結びを食わせている差助の顔を凝視する。



「もう戌の刻か」


 午後8時。



織田信長・徳川家康連合軍が姉川の戦いで敗走。


 天正元年八月。


 義弟浅井長政を追討する為。信長軍の北近江への侵攻の準備を着々と進んでいた。




第24話 了





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