第3話~戦い~

 ボクはこの1ヶ月で、竜の国の情勢を理解した。

 竜の国は代々、ブライトと名乗る金髪の一族がを使い、支配していた。そのブライト一族は、権力争いで何度も身内同士で殺し合い、ほとんど血が絶えていた。

 現王のヴォルガも父と母と弟を殺し、王国を手に入れた。さらに領土を増やすために、周辺諸国を侵略している。その一環がレイト人の虐殺というわけだ。

 今は、丁度、一番寒さが厳しい時期で停戦中らしく、戦いに出ることは無かったが、捕虜として捕まえたレイト人から、敵の情報を得た。

 レイト人の長の名前は―イズミル。

 緑髪金目の青年で、隣にヤレンという名の部下を連れている。恐ろしくて強力な力を持ち、劣勢だったレイト人をまとめ上げて、3年も持ちこたえさせている強者だ。そして、アドニの家族を殺したとも言われている。

 ボクは、敵の情報だけでなく、味方についても情報を得ていた。王の武器―はその名の通り、瞳がキラキラと宝石のように輝く能力者たちで、1人1人個性が強く、集団には向かない人々だった。

 ボクは、基本的にアドニの部屋で過ごし、できるだけ宝石との接触を避けた。どうでもいいことで、ボクを殺そうとしたり、貶めようとしてきたりし、アドニの頭痛の種になっていたからだ。

 ボクに攻撃をしてくるのは、フォレスとニコシア、それからニコシアの腰巾着のリニー=アンという赤毛の少女だ。このリニー=アンは無邪気に、ボクを殺そうとしてくるので、その度に危うく殺してしまいそうになった。

 ボクは、戦いのない平和な日常に、少しずつだが心を凍りつかせていた氷が溶けていくのを感じていた。今まで、睡眠時間はほとんどなく、起きている間はひたすら人間を殺していた。

 思考を奪い、人形として生きていた日々が徐々に過去になり、ボクという自我がしっかりと根を下ろし始めていた。

「ベオ、起きてるか?」

 アドニに声をかけられて、ボクは瞳を開いた。珍しく宝石の制服を着たアドニが、ボクを見降ろしていた。宝石の制服は、1人1人に合わせて作られた特注品で、アドニの場合はベースは黒で、ところどころに黄色のラインが入ったスーツだ。

「はい。起きています。」

「おはよう。起き抜けで悪いんだが、王から徴集されたぜ。そこの服に着替えてくれ。」

 アドニが、指さした先には、ボクが人形の頃に来ていた戦闘服によく似た黒い服が置いてあった。

 ボクが着替え終わると、しっかり防寒着を着込み、外に出た。

 今日は、どんよりと曇っていて、恐ろしく寒い。ちらちらと灰色の空から雪がちらつき始めていた。

「さむ!こんなクソ寒い日に、何の用だろうな…。ああ、面倒だ。」

 アドニが、ぶつくさと文句を口にした。

 ボクはマフラーをぐいっと口元まで上げて、アドニを見上げた。耳まで真っ赤になっていた。

 アドニは話すのも寒いと口をつぐみ、黙々と歩いた。王の住処は、庭を抜けた先にそびえる塔の最上階にあるが、宝石の宿舎から歩いて、20分ほどかかる。

 塔につくころには、芯から冷え切っていた。

 歯をガチガチと鳴らして、塔の中に入ると、中は不思議と暖かく、ボクはマフラーを下げた。

 アドニはボクの頭についた雪を払い、それから、自身の雪を払った。

 すると、頭上から聞き覚えのある声が響いた。

「よお、アドニ、坊主。早かったな。」

「ああ、まあな。まだ、誰も来てないのか?」

「朝早いしな。おれが一番乗りだ。待ってる間、茶でも飲もうと思って、丁度淹れたところだ。寒かったろう、あがっておいで。」

 そう言われて、ボクたちは階段を上った。フロムのいる階は、ちょっとした休憩場所になっており、大きな木のテーブルと、それを囲むようにソファが置かれていた。

 既に、温かい飲み物とちょっとした菓子が用意されていた。

「おれが淹れたんで、味は普通だが…。まあ、期待せず飲んでくれよ。」

「何言ってんだよ。助かる。何も食ってなかったから、腹ペコだしな。ありがたくもらうぜ。」

 アドニがニコニコしながら、ソファに座り、菓子をつまむ。ボクもフロムにペコっとお辞儀して、菓子を頬張った。

 甘い。

 ボクがもむもむと無表情で菓子を食べているのを、フロムとアドニが微笑ましいと眺めた。

「初めて会った時に比べると、大分、表情が柔らかくなったんじゃないか?」

「あー、そうかもな。だが、まだ、喜怒哀楽が出ないんだ。もうちょっとだと思うんだがな…。」

 注目されて、ボクは居心地の悪さを感じた。今まで、他人に興味を持たれたこがなく、どんな風に反応すればいいのか分からない。

 とりあえず、もう一個、違う種類の菓子をとり、食べた。この菓子という食べ物は、今まで食べたどんなものよりも、甘くて美味しい。食べているだけで、何だか満ち足りた気分にさせるから不思議だ。

 アドニとフロムの他愛ない会話を聞きながら、ボクは、この日々がずっと続けばよいのにと思った。

 宝石たちが集まり始めたところで、ボクの心地の良い時間は終わった。

 我関せずと視線すら投げてこない者、明らかに敵意を持ってボクを見ている者。ここは蛇の巣だ。ひとたび誤れば、首を噛み切られてしまう。

 全員、揃ったところで、玉座の間に入った。

 まだ、王は来ておらず、兵士たちが鋭い眼光で宝石を監視していた。皆、気だるそうに王の到着を待つ。ボクは、ぼうっと空を見つめていた。何が起きようとも、些細なことだ。心底、どうでもいい。

 兵士に緊張が走った。王が到着したようだ。玉座の後ろの扉が開き、王が姿を現した。

 まるで、新しい玩具を手に入れた子どものように、らんらんと瞳を輝かせていた。玉座に腰かけると、声を張り上げた。

「よく来た、宝石たちよ。これから、お前たちに任務を与える。説明は、クモ、お前がしろ。」

「御意のままに。」

 いつの間にか、クモがボクたちのすぐそばに立っていた。クモは右手を前に突き出して、小さくうなるように呪文を呟く。すると、大理石の地面から、絵が浮かびあがった。それは、この国の大陸の地図だった。その大陸の中心、大きな湖の下の赤く染まった地点が、今、ボクたちがいる王都だと分かった。

 そして、もう一点、黒く色が付いている場所があった。そこは、王都から東に数百キロ離れた砂漠のオアシスだった。

 クモが、低い声で説明した。

「我々の密偵が、敵の居場所を特定した。この黒く染まっている場所に、拠点を作り、こちらに攻撃しようと準備を始めている。レイトの長、イズミルもいるようだ。奴らを今ここで叩ければ、次の戦いでの戦況は大きく変わるだろう。」

 イズミルの名前で、アドニがぐっと拳を握った。

「そこで、ここに集った宝石7名と精鋭20名で、これより奇襲をかける。異議のある者はいるか?」

 クモが皆を見渡す。もちろん、誰も反対する者はいなかった。

 王がニヤッと笑い、兵士たちを鼓舞した。

「此度の作戦で、イズミルを殺せたものには、褒美をとらせよう。期待しているぞ。」

 わぁっと兵士たちが威勢の良い声を上げる。一方、宝石たちは誰1人何も言わない。

 ふと隣のアドニを見上げると、アドニは何だか少し青い顔をしていた。ボクが見ているのに気づき、無理して笑って見せた。

「どうした?不安になったのか?」

「いえ、違います。ボクは戦闘において、負けたことはありませんし、不安はありません。」

「そうかい。それは頼もしいな。だが、無理して人を殺す必要はないんだぜ。動けないようにすればいい。」

「ボクは、無理していません。」

「どうだか。お前自身が気づいていないだけで、お前は人を傷つけることに、罪悪感を覚えるタイプだと、俺は思うぜ。だけど、それを押し殺して、感情を殺さないと生きていけなかったから、今、そんなに感情が希薄になっちまってるんだ。いい加減、お前は、自分の気持ちを大切にしていいと思うんだがな…。こればかりは、自覚しないと難しい。」

 アドニが寂しそうに微笑んだ。ボクには、その意味がはっきりとは分からなかったが、それでも、アドニの気持ちに答えたいと思った。

 そうすれば、今、アドニに感じている感情をいつか伝えることができるかもしれない。

 *

 フロムが銀色の道を扉に作った。初めて見た時から異様な空間だと思っていたが、フロムの繋げる能力によって、どんな場所にも通じる抜け穴を作ることができる。

 人1人は余裕で通ることができるほどの大きさになると、フロムは疲れたと言わんばかりにため息をついた。

「こんなもんでいいか?全員、あちら側に抜けたら、一旦、閉じるんで、何かあれば呼んでくれ。ただし、簡単に呼ぶんじゃねぇぞ。緊急事態に、素早く動けねぇからよ。」

 ぼりぼりと気だるそうに、頭を掻き、忠告したからなと全員を見た。

 兵士たちは、ゴクリと唾を飲み、恐る恐る銀色の道に入って行った。その様子を可笑しそうに、宝石たちが眺めていた。

 甲冑に身を包み、腰に剣を吊っている兵士たちと比べ、宝石は皆、軽装だ。武器を持っている者さえいない。

 ボクは、腰の刀にそっと手を添えた。ボクの武器はこれだけ。だが、この刀一本で、どんな戦場も戦ってきた。ボクは負けたことがない。それが自負であり、弱点でもある。

 兵士たちに続き、宝石も銀色の道に入っていった。ボクは、一度、深く息を吐き、それから、銀色の道に足を踏み入れた。

 たった一本踏み出しただけで、風景ががらりと変わった。さっきまで、赤い玉座の間にいたのに、今は砂漠の真ん中にポツリと立っている。見上げれば、乾いた冬の青空が広がり、足元には砂が広がっていた。

 本当に一瞬で移動してしまった。何度見ても慣れない。

「おっと、ベオ、そんなところで立ち止まるなよ。邪魔になってるぜ。」

 後ろから出てきたアドニが、ボクの背中を押した。ボクはコクリと頷き、入口から距離をとった。

 全員が砂漠に移動すると、銀色の道が萎んでいき、跡形もなく消え去った。

 兵士も宝石も物も言わず、歩き出した。目的のオアシスは、ここから歩いて30分ほどある。出発する前に、作戦は伝えられていたので、個々がそれ通りに動けばよいだけだ。

 兵士たちは緊張した面持ちだったが、宝石たちはまるで、遠足にでも来ているかのような表情だ。

 アドニは、煙草をくわえて、火をつけると、他の宝石よりも幾分かゆっくり歩いた。ボクも真似して、ほんの少し速度を緩める。徐々に距離をとると、ふうと煙を吐いた。

「面倒な仕事だな。お前は適当に、そこら辺のレイト人を無力化しておけばいい。頭を狩るのは俺たちの仕事だ。」

「…でも、それでは、ボクのいる意味がないです。ボクは人形ですから、どんな仕事でもします。どうぞ、上手に使ってください。」

「お前なぁ。そういうこと、言うなよ…。この世に意味のあるもんなんて、ほとんどないと思うぜ。いつかは死んでいくんだ。意味なんて考えずに、やりたいか、やりたくないか、それだけ考えとけよ。」

 ぽんとボクの肩を叩く。ボクは、どうにも返事ができず、黙り込んだ。やりたいことなんて、あるわけがない。この世すべて、やりたくないことばかりだ。

 黙々と歩いているうちに、目的地が見え始めた。レイト人が住む街だ。

 遠くから偵察する。これから、襲われるというのに、吞気に食事をとっていた。戦えそうな男の姿はなく、老人と女子供ばかりに見えた。

 本当にここがレイト人の頭の隠れ家なのか疑ってしまいそうなほど、平和な時間が流れていた。

 奇襲の基本は、敵に感づかれないこと。嫌というほど、ボクは知っていた。

 全員が無言で頷き、配置についた。街のすべてを殲滅するために、三か所の入り口から一斉に突入し、皆殺しにする。こちら側が圧倒的に有利であるからこその作戦だ。

 宝石2名、兵士6名の小隊に分れた。ボクは、アドニと同じ小隊になった。

 アドニの力を見るのは、これが始めてだ。炎を操ること以外、ほとんど知らない。宝石の強さを知るには良い機会だ。

 全員が配置についた。突入する。

 街に一歩、踏み入れた瞬間、どすっと隣の兵士の胸元に矢が突き刺さった。厚い甲冑を容易に貫き、血が噴き出す。兵士は血を吐き、倒れた。

 その瞬間、景色が歪み、家々は消え去り、ボクたちは入り組んだ迷路に迷い込んでいた。全員がうろたえる。

「な、何が…。ぎゃっ。」

 ボクのすぐ後ろに立っていた兵士の頭に矢が刺さった。見上げれば、何百という矢がボクたちに降り注いでいた。逃げ場はない。誰もが終わったと思った瞬間、ごうっと炎が噴き出して、降り注ぐ矢を一瞬で燃やし尽くした。燃え残った灰が空からパラパラと落ちてきた。

 隣を見ると、アドニの身体から炎が噴き出ていた。瞳の色がオレンジと赤を混ぜたような色に変わっていた。

「くそっ!罠だ!やられた!誘い出されたのは、こっちだったんだ!」

 兵士たちの顔に絶望が広がった。まんまと策に嵌ってしまったと悟った時には、既に遅かった。どこにも逃げ場がない。ボクたちは、処刑場に誘い込まれてしまった。

 誰もが打ちひしがれている中、アドニはまったく諦めていなかった。

「おいおい、お前ら、こんなところで死ぬつもりか!? 瞬間移動か、はたまた幻覚の類かは分からんが、これだけの術だ。術者の負担も相当なはずだ。長くはもたない。崩壊するまで、足搔き続ければなんとかなる。ほら、顔上げろ。」

 兵士たちが驚いて、アドニを見上げた。アドニの表情に嘘はなかった。皆、その言葉に元気づけられて、立ち上がった。

 ボクは、アドニの言葉を噓にしたくないと思った。どうしたって絶望的だが、諦めるにはまだ早い。

 ボクは、覚悟を決めるとアドニの隣に並んだ。

「ボクは、人よりも敏感に空気を感じ取れます。後ろから付いてきてください。」

 ボクがそんなことを言うとは思わなかったのか、アドニが驚いているのが分かった。だが、すぐに嬉しそうにニッと笑って、ボクの背中をどんっと叩いた。

「…!ああ、頼んだぜ、ベオ!」

 ボクが先頭を走り、それにアドニと残った兵士たちが続いた。

 ひたすら、迷路を走った。ボクには、ここが何か歪な術がかけられていることが分かった。走れど、おそらく出口は無い。

 徐々に後ろの兵士たちが疲れ始め、走る速度が遅くなった。それを狙って、矢が飛んできた。アドニの炎がそれを防ぎ、時には、ボクが矢を切り、懸命に足掻き続けた。

 一体、どのくらい走り続けただろうか。ボクは風を感じて、方向を変えた。目の前に出口のような光が見えた。

 兵士たちの顔に喜びが浮かぶ。

 あと一歩、光の先にたどり着く。その時、四方八方から槍が飛び出して、ボクたちをくし刺しにした。

 あっと思った時には遅く、ボクの心臓めがけて槍が飛んできた。だが、ボクの身体に刺さる前に、アドニがボクを突き飛ばし、顔から派手に転び、額を強かに打った。振り返ると兵士と共に、アドニが刺されていた。

 身体の血の気が引いて行くのが分かった。一瞬、音が消えて、目の前が真っ白になった。

 ボクの喉から悲鳴ともつかない声が出た。

「あああああああ。嘘だ。嘘だ!」

 アドニに駆け寄った。アドニはぜいぜいと荒く呼吸をしていた。生きている。だが、刺された場所が悪い。おそらく、内臓をやられている。

 周りの兵士は心臓を貫かれて、全員絶命していた。

 アドニが苦しそうに呻く。腹部から血がだくだくと流れていた。

 血が止まらない…。どうしたら…。

 アドニは、参ったなと苦笑いした。

「最後の最後で…。本当についてないぜ、俺…。どうやら、トラップのようだ。2度目は来ない。今のうちに、逃げるんだ…。」

 だが、ボクには、到底できなかった。ボクのミスだ。ボクが罠を見ぬけなかった。

 ボクは今まで、たくさん殺したが、人を助けたことがない。どうしたらいいのか、まったく分からなかった。

 服を裂き、傷に押し当ててみた。しかし、すぐに、布は真っ赤に染まり、ボクの指の間から、血がこぼれていく。

 ボクには、どうすることもできない。ただ、アドニが死んでいくのを見ているしかない。

「どうして…、神様は、ボクにこんなに辛く当たるんですか?ボクは確かに、人殺しです。でも、それなら、ボクに罰を下せばいい。こんなの、こんなの、あんまりだ…。」

 今まで、自分の中で蓋をしていた感情が溢れ出した。それは、悲しみだった。

 瞳からぽたぽたと涙が落ち、アドニの顔を濡らした。アドニは、青白くなった顔で、ボクを見た。

「今日が…俺の…終わりの日なんだよ…。仕方…ない。運命は、そう簡単に変えられない。ベオ…、俺はもう…いいんだ。お前の…泣き顔が見れて、俺は…ちょっと安心したよ…。」

 アドニが微笑む。ボクは、その表情を見て、やっと気づいた。

 ボクにとって、アドニは…

 ―何にも代えがたい特別な人だと。

 涙が溢れて止まらなかった。その涙がまるで、汚れを落とすように、周りの景色を霞ませていき、ボクたちはいつの間にか、オアシスの一角に座り込んでいた。

 丁度、大通りの真ん中で、周りには誰もいない。この街はどうやら、元から廃墟だったようだ。

 ボクが呆然と辺りを見まわしていると、民家の上から誰かが地面に降りて、歩いて来た。ボクはアドニを守るように、立ちふさがった。

 それは、金髪碧眼の人間だった。

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