平成シリーズへ

第4話 新たなる光

 なんだかんだとレンタル屋に通いつめ、結構なウルトラマンを見てきましたが、近場のレンタル屋は今に思うと品ぞろえが悪かったですね。

 ウルトラセブンはないし、80も置いてない。エースやレオはあるにはあるんですが、飛び飛びでなぜかタロウだけはそろっている。

 まぁ昔のレンタル屋はそんなものでしょう。とにかく、保育園の間、僕は間違いなくウルトラマン漬けでした。当然、そのころにはスーパー戦隊や仮面ライダー、ガンダムなども並行してレンタルしていましたが、主軸としてはウルトラマンでしたね。

 子供ながらに思い入れもあったのでしょう。

 余談ですが、昔は夏休みの期間になるとアニメや特撮の再放送とかしてたんですよね。僕は初代仮面ライダーをそういうタイミングで見ていました。ついでに初代ガンダムもなんか深夜に再放送していた記憶があります。

 録画をしていた記憶があるんですよね、なんか。


 話を戻してウルトラマンですが、僕が小学校に上がるころには周りでもウルトラマンを知っている子が増えてきたんです。まぁ雑誌とかには普通にいましたしね。逆にそういう雑誌をウルトラマン見るまで知らなかった自分がどんだけ内向的だったんだと思うぐらいですが、それは良いとしましょう。

 幼い僕の視点で、新作もなく、レンタルもあらかた見てしまった僕はウルトラマンを繰り貸してみるということはちょっとなくなっていました。

 飽きたといえばいいでしょう。いくら好きでも何十回も見てればね?


 ですが、僕は新しいウルトラマンに出会ったのです。

 1996年。小学校にあがっていた僕は「ウルトラマンティガ」と出会いました。

 そう、新作の、全く新しいウルトラマンです。しかも色が三色!

 単純な話ですが、タイプチェンジという要素が加わり、僕は再びウルトラマンにのめりこみました。

 くしくも平成第一号ウルトラマンのおかげで僕は再びウルトラマンに目覚めたわけですね。

 当時のCG技術は今におもうと荒い部分も多かったですが、そんなの気にする年齢でもない。新ウルトラマンの活躍にわくわくし、タイプチェンジがどう使われるのかも楽しみ。なにより防衛隊の戦闘機も今まで見たこともないぐらいにかっこよかった!

 このあたりから、ウルトラマンは若干上の年齢層にもターゲットを向けていた節があり、ちょっと小難しいストーリーも多かったですね。

 ですが、子供ってすごいもので案外理解するものなんですよね。理屈ではなく、感覚というんでしょうか。

 ティガに関してはOPもEDもかっこいいし、何より主人公ダイゴをえんじるV6の長野さんが本当にイケメンで当時の僕はそれでジャニーズのファンになったぐらいです。

 しかも途中、初代ウルトラマンとの共演もあり、本当に楽しませてもらいました。


 そんなティガですが、僕はおもちゃは買わなかったんです。まぁ親がそこらへん厳しかったのもあります。唯一ティガのおもちゃで持っていたのは中盤で登場した戦艦・アートデッセイ号だけでした。

 変身アイテムもソフビも持ってなかったですね……もっとわがままを言えばよかったよ。

 そんなティガともお別れが近づくと僕はトラウマを刺激されます。

 あれ、ウルトラマン、また死ぬの? です。

 終盤、ウルトラマンティガが世界を闇で覆いつくそうとする邪神の前に敗れ去り、石造となりました。

 あれ? あれ? また負けるのか? というか、こんな敵どうするの?

 小学生の僕はとにかく早く続きが見たいと思っていました。

 しかし、その最後は……また別の機会に語りたいですが、あの時、僕は光で、ウルトラマンだったんです。

 僕が、ティガだったんです。


***


 そして時を同じくして、僕はもう一人のウルトラマンと出会います。

 その名はウルトラマンゼアス。知る人ぞ知る、ガソリンスタンドとのコラボキャラといいますか、真っ赤な顔をした特異的なウルトラマン。

 潔癖症で、ちょっとでも汚れるとダメダメになったり、そもそも弱かったり、変身前はさえない男……ですが、僕はそんな彼が好きでした。

 理由は単純にウルトラマンだからというのもあったのでしょうが、どんなにダメダメでもゼアスが努力をする人であることを僕は幼いながらに理解していました。


 それらのシーンはコメディタッチで描かれていましたが、決してバカにするようなものではなかったですね。

 何より主人公が苦難を乗り越え、強敵に打ち勝つという王道展開でしたし。

 そしてそしてゼアスは特徴的な手の洗い方をしたり、変身するには歯磨きをしないといけなかったりと愉快な設定がありましたが、僕にはそれがクリーンヒット。

 ウルトラマンが歯を磨くなら、僕もやるしかないじゃんみたいな単純なものでしたが、少なくとも僕はそれで歯磨きを大事にしてきましたね。


 そしてゼアスといえば防衛隊もちょっとコメディでしたね。その割には技術力が他のウルトラマンたちと比べてなんかすごかった記憶あります。ガソリンスタンドの看板から出撃したり、それを写真に収めようとどこかで見たことのある主婦がカメラ構えていたり……というか初代ウルトラマンのキャストが出てたんですね、ゼアス。

 ゼアス2になると隊長はモロボシダンでしたし。

 で、またこの防衛隊が面白いんですが、いっつも負けるんですよね。いや、ゼアスに対してアシストすることも多いんですが、基本がコメディなせいなのか、それとも敵がやたら強いせいなのか、必ず撃墜されてた記憶です。


 僕の中でゼアスはかっこいいとは言えないが、好きなキャラクターでした。何より、何度も言いますがこの作品のおかげで歯磨きは本当、マジで、欠かさずやろう! って思いましたから。

 まさしく教育に適しているという奴です。今の園児や小学生にゼアスを見せれば歯磨きと手洗いは徹底されるんじゃないなかと本気で思ってますよ、私は。

 そして笑いり、感動あり、熱い展開ありのこのゼアスは間違いなく「名作」です。


 まぁそんなこんなで平成ウルトラマンシリーズとの付き合いが始まっていくわけですね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る