第4話

翌日の朝は気怠けだるい気分で登校する。空は快晴しかし心はくもり。

道行く同じ制服をした生徒はそれぞれの友達に挨拶あいさつする。俺に挨拶する奴は指を二つ折るぐらい。


「はぁー」


(ぼっちはつれえぇ)


何故、学校なんて行かんといけない。心の中で呟き今日も一年3組に向かわるとローファーから上履きにチェンジして昇降口しょうこうぐちで幼馴染と接敵エンカウントしそうになる。


「あっ!義鑑よしあき

じゃない、おはようって・・・

スルーで早歩きで逃げるなぁ!!」


激高した幼馴染に無駄な抵抗は

やめる。


かえでどうして挨拶なんかするんだよ。周囲に誤解されないか?」


コイツは二本松楓にほんまつかえでだ。幼稚園からの知り合いで幼馴染そして彼氏がいるので

幼馴染ラブコメ発展はしない。

それよりも周囲に俺といれば

二股ふたまたなんて

噂される危険を考慮をしろよ。


「誤解って何がよ。

別に相手の目を気にしていたら

疲れるだけじゃないの!」


「そんな豪語をできるのは楓だけだ。

一般の兵卒はそうではないのだよ」


「何よそれ。とにかく気にし過ぎだからね!少しは何か

あるんじゃないの?」


「何があるって・・・・・」


どういう意図なのか分からねぇ。

・・・いや、こういう茶髪ボブヘアーをした清楚系だけどうざい

美少女は彼氏の自慢話がしないのだろう。仕方ない、付き合うから

ありがたく思えよ。


「あー、海斗かいととは

進展はあったか?」


「・・・何よそれは、あなたなんか知らないわよ!!」


何故か怒らせてしまった。走っていく後ろ姿を見て俺は大きな声で言うのは、


廊下ろうかは走るなよ」


一般常識の注意勧告。


「うるさぃ、バカ!バカァァ」


振り返って罵声ばせい

返ってきたのだった。

・・・ああーラブコメのような幼馴染が欲しかった。

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