第29話【放課後の約束】

「あ、そういえばかおりちゃんって今日バイトない日だよね」


「はい、今日はお休みです。

他のバイトの子達との兼ね合いでお休みになっただけなので特に用事はありませんが」


昼食を取り終わり談笑していた。

その時ふと今日の晩御飯は自分でどうにかしないといけないことを思い出しかおりちゃんにバイトのシフトを聞いた。


「いきなりどうしたんだ?」


「いや、今日の晩御飯どうしようかなと。

昨日騒ぎを起こした手前あのメイド喫茶に行くのもなぁ〜。

かおりちゃんもバイトじゃないみたいだし」


「あれ?

当分行かないんじゃなかったのか?」


「うんうん」


かおりちゃんも誠司の言葉に首を縦にふって俺を見る。


「そのつもりだったんだが·····。

まぁ、いいじゃんか、俺にも色々あんだよ」


ここ最近適当な言い訳を考えすぎて面倒になってきた俺はもう言い訳を考えるのを辞め適当に流すことにした。


「ふぅ〜ん。

まぁ、どっちでもいいけどさ」


「あ、あの!」


「どうした?」


「わ、私に夕食を作らせて貰えないですか!?

透くんのお母様より美味しい料理を作れる自身はありません···。

それでも精一杯頑張りますから!」


かおりちゃんがずいずいっと顔を俺に近づけて力説してくる。

いやいや、顔近いから!

何かいい匂いするし!


「あ、ありがとう。

その気持ちはとても嬉しいよ。

さっき食べさせて貰ったお弁当も美味しかったしね。

でも、それは難しいかな。

多分、かおりちゃんは俺の家で料理を作ろうと考えてると思うけど母さんがいつ帰ってくるかわからないからね。

かおりちゃんも嫌だろ?

いきなり俺の両親と鉢合わせしたら」


「えっと、それは少し困ります。

私は優れた人間では無いので·····。」


「そんなことはないよ。

かおりちゃんはいい子だよ。

それに男の家に女の子と二人っきりはヤバいしね」


「えっと、それは···神谷さんも一緒に?」


「ん?

俺か?

俺は飯食わせてくれるなら全然行くけど」


「お前はそーだろうな。

でも、場所がないんだよな。

誠司とかおりちゃんは実家暮らしだし俺の家は今日母さんが来るから無理だ」


「そうですね」


かおりちゃんは少ししょんぼりとした表情になった。

そんな顔されると「じゃあ、お願いしようかな」って言いたくなってしまうが俺の家に来られて一姫の物を見られたり母さんと一姫が家に帰って来た時にばったり会ってしまったりといろいろややこしい事になりかねない。


「今回は無理そうだしどっか適当な店に食べに行かね?

まぁ、かおりちゃんの気持ちもわからんことは無いが別にこいつに飯作る機会が今日だけってわけじゃないんだし次の機会までに料理の練習するってものありだと思うぞ」


「·····そうですね。

助言ありがとうございます」


かおりちゃんはそう言って頭を下げる。


「俺は適当な店で大丈夫だ。

かおりちゃんはどうする?」


「はい、大丈夫です」


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それではまたお会いしましょう!バイバイヾ(・ω・`)

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