第35話:ドイツで僕が倒れる時

僕の生活はこうだ

朝から夕方まで、家事全般

夕方から夜まで、勉強

これを数か月続けた。


しかし、限界が来た。

風邪を引き、それから、僕は、引きこもった。

緊張の糸が切れた、そんな所だろう。

今思えば、ストレスの発散が出来なかったなと思っている。


楽しい事、趣味、友人と遊ぶ、色んな方法がある。

僕には、ゲームだけだった。

正確には、友人とゲームをするのが楽しいと感じていた。

バカな会話や日常や会社での愚痴を聞いたり、ゲームごちでーす!

とかそんな会話だ。波長が合っていた。

だが、時差の事情やパソコンスペック、回線速度も有って、一緒には出来なかった。

唯一の楽しみが無い。


それから、代わりになる楽しい事を探した。

散歩、物作り、ギター、日記、色々試した。

でも、楽しいとは思わなかった。

唯一、続いたのは日記位だ。


決定打は嫁さんからだった。

30代の嫁と子供持ちがゲームなんて…

価値の相違だ。

僕は特に何も思わない派だ。

一生懸命何かをやっていたり、その人が楽しんでいるなら、

それは、その人にとって価値がある事でその人らしさだ。

その価値を批判や下に見るのは僕は、嫌いだ。

その趣味が非人道的だったり、倫理観に背く様な事ではないし。

しかし、そうは思われない。

結局、僕はゲームを止めた、何か言われるのが嫌になった。


風邪から復帰し、凄く気分は晴れない、でも、毎日の日課をやる必要がある。

酒を飲んだら、それなりに動ける事に気が付いた。

もうプラシーボ効果であろうと、動かないとならない。

タボールとの併用もして、学校へも行く。

そんな事を続けていて、倒れる。


そして、僕は病院で薬の変更を依頼しに嫁さんと一緒に行く。

今回も僕が入院した病院だ。

この病院には、通常診察がある、そこに居る薬剤師へお願いをした。

現状と摂取している薬、容量等の情報を全て伝えた。

結論としては、薬の変更を彼女は行えないと言っていた。

嫁さんは激怒、「これを見ててまだ必要ではないと?」

「もう良いよ、ここで言っても埒は開かない、帰ろう」

彼女は何か彼女に言い、嫁さんと部屋を出た。


僕達は喫煙所に行き、椅子に座った。

「あのヤブ医者め、薬すらまともに変えられんとは!!」

と嫁さんは怒っていた。

タバコに火をつけ、一服し、答えた

「多分カルテの情報が共有されてないよ、ここ」

「過去に何を投与して、どんな経過だったかとかその辺の情報が無いと思う」


嫁さんはため息をつきながら言った

「それでもよ、どうするの?」


今の状態でベストな選択肢を考え、答えた

「どちらにしても、デュロキセチンは効果が出てないから、これを抜いて、ブプロピオンへシフトが現実的かな…」

「どうやって、それをゲットするの?」

「ダニーとセバスチャンから貰うかな、彼らは過去に投与してて、残りがあるって言ってたし」


嫁さんはあまり良い顔をしなかった

「それでもいつか切れて、供給できんぞ」

「それまでに別の薬剤師から得るしかない、別にここである必要はないはず」


そんな会話をしていると、先ほどの薬剤師が来た。

見かけると、嫁さんに何か言っている

嫁さんは翻訳してくれた

「オープンステーションに空きがあるから、入院してって」

嫌な予感がするが、念の為確認。

「あー…そう…拒否権ないよね?」

「無いわ、貴方危険だから」

「ハハハ…ああ、そう…」

3度目の入院確定した


------------------------------------------------------------------------------------------------


この後、いつものルーチンが始まり、

医者に会い、酒飲んで、薬飲んで、寝酒してますーって話をして怒られる。

そして、家のアルコールは全て処分された。

ウィスキー残ってたのに…ジョニウォ黒…

響の12年が飲みたい、もう無いけど…


------------------------------------------------------------------------------------------------

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る