第6話:ドイツで自殺を考えて通報されたらどうなるのか

あれは春でいつかの昼前だった。

嫁さんと喧嘩をした。

嫁さんと何で喧嘩をしたのかは覚えていないが、

未だに覚えているのは、僕はもう死にたい、自殺の準備をしていた事だ。

取り合えず、荷物は全て整理して、パソコンのデータは全消去。

そんな事をしていたと思う。

嫁さんは僕の行動がおかしいと思い、話しかけた

嫁:「何をしてるの?」

僕は無表情で答えた

僕:「整理」

嫁さんは追及してた

嫁「何故?」

面倒だなと思ってた

僕:「要らないから」

嫁さんは察したのか

嫁:「そう、じゃあパスポートを渡しなさい」

相変わらず察しの良い人だな…最後位僕に譲ってよと思っていた

僕:「構わない、それも要らない」

嫁さんは部屋へ戻り何処かへ電話していた。

この時僕は知らなかった、ドイツで病院へ移送される事はどうなる事なのか。


僕はバルコニーでタバコを吸っていた。

タバコを吸いながら、どうすれば迷惑を掛けずに死ねるか考えていた。

首吊りの可能性を考えた。

失敗したらシャレにならんが、結び方や何処でをしっかり調べた。

後は縄を買う…これが問題だった、この辺のスーパーじゃ売っていない。

死体が分からない様にするには、やはり高い橋と川だなとも考えた。

一応有るが、あの橋は国境沿いだから、下手したら捕まる。

溺死、流れが強い川ならワンチャン。

そんな事を考えていた時だった。

知らないおじさんが家に入ってきた。


彼は家に入ると、嫁さんに挨拶をしていた。

誰だろう、そんな事しか思っていなかった。

嫁さんは僕を連れて彼の前に立たせた。

彼は英語で自己紹介をした。

彼は診療所の最高責任者だそうだ。

「君は危険な状態だ、なので、君を今から病院へ移送する」

そんな事を言われた。

僕はどうでも良かった、興味がない。

嫁さんは泣いていた、いつからかは分からないが。

「しっかり治して」

そんな事を言っていた。

もう疲れたからさ、楽にさせてよ。

そんな気持ちだった。


最高責任者のおじさんは電話を始めた。

なんかめんどくさい。

そんな気持ちだった。

別に死ぬ事位、なんの問題も無いだろ。

死は結局早いか遅いかの違いだし。

方法云々はプロセスで有って、結果ではない。

そもそも、生きる事事態が罰ゲームじゃん。

生まれた時から金を払う、理不尽よ、求めていない生を受けて。

死ぬ事を否定するなら良きる事も否定しろよと。

そんな思想を持ってる僕はやっぱりおかしいのだろう。

そして数分後、警官が2人来た。

一人は男性で初老、ナイスミドルと言うのかな。

もう一人は女性、おばさんと言うと怒られるが、40代位だったかな。

そんな事よりも僕は何故?と思った。

これは予想外だった、何故警察が来るのか…

理由が分からない。

理由が分からないだけで動揺するのもおかしいが、

僕は動揺していた、分からない、何故だと。


警官は嫁さんと最高責任者と話をしていた。

その間僕は監視、警官から警告を受けた。

「貴方が自分を傷つけたりしようとしたら、無力化します。」

顔は本気だ、外国の警察官はやはりオーラが違うな、と言うか大きい。

そんな事を感じつつ、やっと納得する答えがでた。

あー…そういう事か、保険と言う事か。

様は、危険な人物、精神的におかしい奴だから、何するか分からない。

だから警察か。 

妙に納得したが、申し訳ない気持ちも有った。

こんなつまらない事に駆り出されるなんて、時間の無駄だよなと。

そんな事を思っていたら、今度は救急車だ。

え?何故?別に誰も負傷してないよ?

もう何が何だか分からない。異常だ。


救急車を確認すると、最高責任者が丁寧に言った

「君はこれから、救急車に乗って、病院へ行く」

僕は別に言う事も無いが、取り合えず

「分かった」

嫁さんは泣きながら僕に抱き着いた。

何を言っていたのかは覚えていない。

僕は取り合えず、分かったとか相槌を打ってたと思う。

その辺の記憶は曖昧だ。インパクトが無かったのか、

それとも忘れてしまったのか。

病院へ行くから、荷物をまとめていた。

服とパソコン、タバコ、それ位だったかな、持って行ったのは。


用意が終わると僕と嫁さんは救急車へ乗った。

救急車って基本的に変わらないんだな、外見がちょっと違うが

中身はほぼ一緒だ。

救急車の中にある、ストレッチャーに乗せられ、僕は固定された。

ストレッチャーの回りに有る穴に専用のヒモで体を固定した。

特に問題はないが、形式的な事でやる必要があった様だ。

まぁ、自殺したいとか言ってる奴はそうなるわな。

これが拘束具か なんて思っていた。

車が動き出した、凡そ30分で着くそうだ。

僕は終始無言だった。

別に話す事も無いし、病院でどうなるかも興味が無かった。

無心と言うとおかしいが、僕は終始無言でぼーっとしていた。

そうしていると、病院へ着いた。

ドイツの病院かー、裏口かー、昔見たアメリカの病院ドラマみたいだな。

そんな感想だった。

僕はこれからどこへ行くのか、どうなるのか、ちょっとそんな事を考えていた。


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今考えると、自殺を考えてるだけで通報されて警察官2名、救急車とかが来るとかどんな状況なんだ?って思いますよね。

日本ではどうなのかは分かりませんが、ドイツ生活ではインパクトの有った体験でした。

あの時起きている事を書いていてやはり記憶が断片的になってますね。

凡そは合ってるんですが、会話内容は若干変えてるかもしれません。


ここからドイツでの鬱病治療と病院でのストーリーが始まります。

過激な出来事や、こいつやべぇ、病院ってやっぱり大変とかそんな話が沢山出てきます。

次回は隔離病棟、先生に会う、あ、ルームメイトがやべぇ奴が出てくるかも?


自殺したいんじゃくて、今いる状況や環境に心が耐えられない、どうして良いか分からない、逃げたいからみんな死にたいって言うんだろうなって今になって思います。

偉そうな事は言えませんけどね…

それでは、次回こそは面白い話になる様頑張って書きます。

良い一日を


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