へっ! なんやあの女、仕事やるからちょっと付き合えちゅうただけやのに

「なあ、仕事やるさけ、な、一晩、な!」

薄暗いビルの廊下で若い女性にせまる猿みたいな顔のおっさん

関西の芸能界の口利き芸人のようだ

「そんな、私、そんな事しません!」

若い女性タレント

「何いうとるんや、おまえなあ、一晩、ちょっと付き合うだけで、仕事になるんやで」

「そんな! 私、いやです!」

「なんやとう!お前、俺に逆らったらどないなるか教えたるわ、もう、テレビに出られへんようにしたるわ」

と、そのとき、ビルの暗い廊下のがぱあっと明るく輝く

「ひっ!、何?」

「なな、何や、ビックリテレビか!?」

芸人とタレントはあまりの事にめっちゃ驚く

「はぁ~い~、天使の裁判所でおまっせ~」

何気にインチキ関西弁

「なんや、おまえら・・・・ああ、新人の漫才師やな、おう、俺の言うこときいとったら、ちゃんと仕事やるで」

「これは、現行犯の性犯罪をサクッと裁判して、サクッと判決をだすシステムででっせ」

「あんさん、いま、このたれんとさんを、仕事を餌に脅して一発っていうたはったやろ、それ、恐喝と性犯罪や」

「なんやとこら、おまえら、吉■の芸人ちゃうんか?」

「ちゃうわアホ、それと、[ピー]が入るような事を大声で口走るなぼけ」

「さあ、掛け合い漫才はおいといてやな、たれんとさん、あんたには有罪・無罪を決める権利がありまんねん、あんた、どっちにしゃあはります?」

あまりの事に女性タレントは赤い顔をしてうずくまっている。

よくみると笑いを必死にこらえていたのだった。

「はあ、はあ、ああ苦し、ああ苦し、そっちのでたらめな関西弁に有罪にしたいわ。あんたら、関西人ちゃうやろ」

「何やいままでしゅんとした喋り方してたのに、本性でたか?」

「ほっとけ、で、有罪、無罪かやろ、そーやなーーー・・・・」

「有罪にしとき、有罪にしといたら、もう、こいつの顔見ンでええようにしたるさかい」

「あんたら、この人より悪やな、うん、この際、有罪にするわ」

といきなり紙吹雪

「ゆ~~~ざ~~~~い!!! ぷーぷーぷー、ゆーざーい!!!! ぷーぷーぷー」

顔を白塗りして白い全身タイツのおっさん達がおどりまくる

「あーっはっはっはっ! なんやこれ!あーはっはっはつ!」

「ゆ~~~ざ~~~~い!!! ぷーぷーぷー、ゆーざーい!!!! ぷーぷーぷー」

「ゆ~~~ざ~~~~い!!! ぷーぷーぷー、ゆーざーい!!!! ぷーぷーぷー」

「な!何が有罪や、お前、覚えとれよ!」

床に抑えつけられたままの芸人がわめく

「はい!ー『覚えとれよ』はいりましたーーー、つまり、恐喝ははいりましたので、形の重さに『死刑』を選ぶ事ができまーす!」

「え?何?死刑なんてできるの?」

女性が嬉しそうにいう

「何やと!死刑やと、ふん、どうせ、どっきりやろ!」

「まあいいわ、死刑にしてちょうだい!」

と、また天使姿の男性達が踊り狂い笛を吹いて踊る

「はいーーーー死刑入りましたー」

「し~~~け~~~~~い~~~~、どんどんどんぷーぷーぷー」

「し~~~け~~~~~い~~~~、どんどんどんぷーぷーぷー」

「し~~~け~~~~~い~~~~、どんどんどんぷーぷーぷー」

天井からロープの輪っかが降りてくる、どんな仕組みになってるか分からないが、ロープの先は、天井の暗闇のむこうだ

「おい、われ、何すんねん、お前ら、どこのもんや、俺の事こんなことしたら、後でおぼえとれよ、そんな」

芸人が輪っかに首を通され、そのまま吊るされる

「ぐえっ、し、死ぬ、ぐえええええ」

ぴょんこぴょんこ跳ねていた男性が首がしまってぐったりとする


と、光が消え、あたりは薄暗い廊下に

と放送局のスタッフが彼女を呼びにくる

「すみませーん、タレントさんが入りましたので準備おねがいしまーす」

「あ、はぁーい」

「今日のタレントさんは、関西お笑いの重鎮ですからね、緊張するでしょうけど、リラックス!リラックスですよ!」

スタッフがタレントに笑いかける

「あ、関西お笑いの重鎮ね」

なんだろ、今さっきまで、その関西お笑いの重鎮に、酷いこと言われていた気が

「あの、スタッフさん、関西のお笑いの芸人さんで、こんな人いません?」

スタッフは首をかしげて

「さあ、えっと、あれ?いたような、居なかったような・・・よく分からないですね、東京に行ったひとですか?」

「いえ、そういう人でも無い気が・・・あれ、何だったかしら?」

「おーい、タレントが入るぞ ! 早く準備して!」

スタジオのスタッフが彼女を呼びにきた。

「はぁーい、今、いきまーす」

彼女は姿勢を正すと、スタジオに向かって歩いて行った

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