ここにリアルな人間がいる

精神病院ときいて、どんな光景を思い浮かべるだろうか。殺風景な真っ白の部屋、叫び声、無表情な看護師、拘束具…
かつてある時代には、それらのイメージが代表的であり、残念ながら事実でもあった。しかし現代、人権尊重が叫ばれ、大きく精神医療の現場も変化している。現代において、精神科に入院するとはどんなことなのだろうか?
この日記には拍子抜けしてしまうほどありのままのユルイ「日常」が記されている。そして、かつて「精神病患者」という言葉で塗り潰されてきた1人の人間の葛藤がある。
文章が読みやすくサクサク読めてしまうが、ぜひ一度読み返してみて欲しい。
2度目には、軽妙な文章の間から、違った何かを感じられるはずだ。
精神医療、いや医療に関わる全ての人に読んで欲しいと思う。
また、入院治療を検討している人にも、気軽に手にとって欲しい1冊である。