28日目。トーカさん、ついに退院前日。

いよいよ、引退か・・・。

正直、楽しかった。

食事を作る必要もないし、片付け片付けの必要も、なくはないけど、自宅ほどじゃない。

遊び仲間もいるし、修学旅行みたいだ。


例のジジイについては文字数の無駄なので放置する。



やっぱり、病棟ロスはあるようで、先に退院したH氏は懐かしい、戻りたいと言っていると聞いた。早く出たいってあれほど言っていたのに。



前にも書いたかもしれないけれど、退院なんて、それほどのこととは思っちゃいない。だから、抱き合って、頑張ろうね頑張ろうねとしているのを見ると、一歩引いてしまう自分がいる。


だって、LINEでやりとりすればいいだけの話で、元気?飲もうよ

くらいの話だと思ってるので。気持ちは、、、わからないでもないかな。


でも今回の入院は、さすがに年齢層高すぎだと思った。

最低40代みたいなところがある。いつメンならわかるけど、全然しらない人に手を振られても、困ってしまう。ということが、ありました。はい。

悪いけど。


さて、退院ということで、荷物を大体まとめてきた。

郵便局にも行って、段ボールを買って。荷物を詰めた。

退院を伸ばそうかとかなり悩んだけど、昨日主治医の先生と退院ということを決めたので、それでいこうと。



思えば、すぐに集まれるメンバーな気がする。

本当に。全員でなくても、一人ひとりのつながりもあると思う。

楽しいメンバだった。稲垣メンバー。


一人一人が個性があってね、そういうのが面白い。

一番年上のね笑 姉さんなんて、トーカさんは、なんだか、サザエさんとカツオみたいだなと思っていましたよ。何かするとコラー的な。ひょうひょうと逃げる的な。



本当に、今回の入院では、特に最後の1週間ほど、嫌なことがありました。

そんなとき、みんな聞いてくれた。みんなそれぞれ問題や苦しみを抱えているのに。頼らせてもらった。素直に。苦しいですと。

誰も「そんなのさ〜〜すりゃいいじゃん」みたいなことを言う人なんていなかった。


助けられてた・・・。ありがとう。



考えてみれば、一度退院した人が戻りたいと思う時点で、いい病院ではないか。


良い、生活だったな。



「アジフライ単品でください」

トーカさんはいつもの弁当屋でまた、アジフライをかっていた。

もはや強迫的である。


仕事か。


やるからには、やる!!

最後の最後、「なんで彼をクビにしたんだ?このところずっとデイリーランキング1位じゃないか」と言われるように目指してやる。


トーカさんは右手を握りしめた。強く。ぎゅっと。

力がみなぎっているのが、わかる。力が戻っているんだ。


同期の仲間からも「早く戻ってこいよー、メシ食いにいこうぜー!」と言ってくれていて嬉しかった。


よし!やってやるぞ!ととーかさん意気込む。


派遣元から電話がかかってきた。食堂で食事中だったが、でた。

「お世話になってます」

「企業さまからのお話お伝えします。今までやっていただいた部署から、入力業務をやる部署へ移ってもらいたい、移ってもらうとのことです」

「はあ?」


ゾクゾク

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