完全無敵!やる気が無さすぎる勇者の自由冒険譚

Leiren Storathijs

第1章 魔王討伐編

第1話 いきなり異世界転生

 俺の名前は最上もがみ 稟獰りんどうとある結構でかい高校に通う三年生、十九歳存在感はそこそこあるけど、友達居ない極普通の学生だ。


 友達居ないってのは本当で、存在感バリバリだしてんのに、何故か気付かれない。これって簡単にいって省かれてんだよね?マジで学校生活つまんね。


「あー面倒くせぇ……次の授業は校庭で体育だ。あー面倒くせぇもう死にてえ……」


 死にてえは言い過ぎだって? もう遅いよ。俺はこれから死ぬんだから。え? 自殺宣言キモい? いや、ごめん。なんか俺の目の前から来てるんだよねー通り魔が……。


「……!!」


「あー、滅茶苦茶痛ぇ……腹を刺される気分ってこんな感じなんだなぁ……なんか意識も遠のいて……」

_________________________

 いやぁ、それで目覚めたらすんごいグロテスクな赤い部屋に居るんだよね。なんかどくどく動いてるし、気持ち悪いし、暑いし……。そしたらね、頭の中に声が聞こえるんだよ。


 『糞漏らすつもりで力んでみ』って……漏らすつもりで力みたくはねぇなぁ……でもまぁ、力解放せよとかそう言う意味で言ってんだろうなぁ……。


「あーやべっ……マジでなんか漏れそうだわ……いやこの感覚は糞じゃない。なんか、体の中心からブワーって感じ」


 え? 分からない? まぁ、見てりゃ分かるよ。


 体からブワーって赤い光が見えたら、周りがドカーンってなって、気づいたらそこドラゴンの腹の中だったんだよね。そう。つまり俺は、ドラゴンの腹の中から内側からドッカンしたわけ。いやぁ酷い光景だわ。


 でさ、ドラゴンをドッカンしたら、目の前にお爺さんが居たんだよね。すんごい俺の事みて、パチパチ拍手してんの。


「おじちゃん誰……?」


「凄い! 凄いんじゃ! あんな巨大なドラゴンを……! あれ、なんじゃったかのぉ?」


 とんでもねぇボケお爺さんがだった訳だ。目の前に気持ち悪い死体が、あるのに気付かないってか……


「あぁ、そうじゃお主! すてぇたすぅと唱えてみ!」


 あ? 急に何の話? ステータスの事言ってんのかな? アレだよね。よく異世界転生であるアレだよね。


「すてーたすぅ」


 何となくお爺ちゃんの発音真似てみたよ。これで唱えられた事になるかな……。


────────────


名前:最上 稟獰

年齢:19歳

身長:175cm

体重:65kg


Lv 225

HP:多分無限?

MP:ヤバイ程ある

物攻:お前の筋力と同じ

物防:核でもいけるんじゃね?

魔攻:最☆強

魔防:世界滅亡しても生きてると思う

俊敏:光の速さと同じ

運:転生してる時点で無いでしょw


スキル:()内も含む。

・火(爆発)、水(氷)、風(衝撃)、雷(電撃)、地(地震、地変)、光(聖)、闇(呪)全て無効。効かない。


・精神(洗脳、魅了、混乱etc…)、状態(毒、腐食、感染、麻痺etc…)全て無効。


・次元(4次元、空間無視、時間操作、重力操作、能力操作、物理無視、粒子、分子の破壊etc…)これらの攻撃を無効。又は使用可能。


・お前の能力未知数だからこれ以上分かんね


───────────


 うわあー……こう言うのチートって言うんだよね? んー、基本ステータスとか説明雑だし、能力がぶっ飛びすぎて笑えねー……。


「どうじゃったかの!」ワクワク


「いや、どうもこうもないよ……何これ? いやおかしくね? こんなのあったらゲームバランス崩壊するよ?」


「げぇむばらんすぅ?」


 あ、駄目だこのお爺ちゃん。多分『すてぇたすぅ』の事も、誰かに言えって言われた口だな……。


「いや、何でもない。所で俺これからどうすれば良いの?」


「…………はて? 何の事かの?」


「いやだから何をすれば良いのって……」


「ワシには分からん」


「えぇ……?」


 やっべ、最初の案内人がやる事忘れたらもうこれ詰みじゃね? ……と思ったらまたなんか来たわぁ……。


「おーい! お爺ちゃん! そこの人もしかして転生人?」


「おぉ〜タケシ!」


「お爺ちゃん! 僕、誠人」


「うむぅ……そうじゃったかのぉ……」


 このお爺ちゃん何処までボケてんだ? 多分息子なんだろうな……名前教えても、疑われるレベルって……お気の毒に。


「じゃあもうタケシで良いよ……」


「いや、タロウじゃったかの!」


「うんタロウだよ」


うわぁ……諦めるの早え……。まぁ、ここまでボケちゃあなぁ……。


「あの……俺は?」


「あぁ! ゴメンゴメン! 僕の名前は桐谷誠人! 君の様な転生人をずっと待ってんたんだ!」


「あぁそう……」


 転生人とかどうでも良いわぁ……どうせ簡単に帰れねえやつでしょ? いやもうこの親子の状態から帰れねえ事察せるわ……。


「あれ、なんか凄く落ち着いてるね」


「うん……どうせ帰れないんでしょ? 俺を召喚したのこのお爺ちゃんだよね?」


「なに!? 人の所為にするでない!」


「そうだよ……ははは……」


 はい詰んだ……もうお爺ちゃん俺を召喚、すてぇたすぅって唱えろと言った事すら覚えないよ……。


「あ、そうそう俺はこれからどうすれば良いの?」


「あ! それに関しては、これから行く所あるから追い追い説明するよ」


「あぁ、うん。分かった……」

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