共感と挑戦、そして成長、変化。幸せまでの道のり。

登場人物はほぼ、メインの6人のみです。6人だけ追っていれば大丈夫。ゲストは佑佳作品を知っていれば嬉しくなる程度で、知らないと話が分からない訳ではありませんよ。

6人はそれぞれ、過去に心の傷を負っています。何なら現在も尾を引いています。どうにかしたいともがく彼らが、お互いに『出会う』。

すると、変化していきます。傷を抱きながら、『仕事』を通して関係性を築いていき、ドタバタとデコボコしながら、いつしか気付くのです。

大切な人に。癒やされている自分に。前に現れた道に。

とにかく皆が、優しい。可愛い。本作あらすじにもあるように、コメディ→恋愛というストーリーのシフトが素晴らしく緻密で、1話から少しずつ重ねてきた気持ちが、ある時を堺に一気に開放されていきます。

全部解決します。本当に、魔法のように。自分の『価値』と、他者との『関係』。未来への『希望』。キーワードはこの辺りでしょうか。

読後、明るい気持ちになります。読んでよかったと心から思います。私は最後のシーンが大好きなのですが、あそこへ至る為には、やはり道中の彼らの物語は全て必要ですね。見事な構成、心理描写、そして台詞回し。丁寧に緻密に、長い時間を掛けて描かれたことは想像に難くありません。

けれど、ああもう少しだけ。
『あの漫才』を見ながらニヤニヤしたい気持ちもあります。

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