VR内での俺の彼女がうちの学校に転校してきたのだが

七草 みらい

1.転校

第1話 お久しぶり

「いやぁー、悪かったね〜。今日まで忙しくてさ」


「いいよ、いいよ。用事があったのなら仕方がない。」


俺の目の前にいるのは、俺の彼女のクロだ。ちなみに彼女と言ってもあくまでゲーム内での彼女なので安心して欲しい。


今やっているのは、Unlimited World Online通称アンリミと言われるゲームだ。


最近話題のVRMMOと呼ばれるもののジャンルでとにかく自由が売りのゲームだ。最初は、ただ一緒にプレイする程度の仲だったがそのうちに互いに惹かれあって結果付き合うことになった感じだ。


ん?リアルでは?もちろん居ませんよ。いや、もういいんです。現実でなんかできるわけがないんです。現実でいたらVR内で彼女なんか作りませんよ、たぶん。


「でも安心してちょうだい。明日からはちゃんとログインできるから。」


「ならよかった。じゃあ明日からまたよろしくね。」


「ん?何ちょっと終わりみたいな雰囲気出してるの?」


「いや、明日からって。」


「あー大丈夫。まだ時間はあるから。」


その言葉に俺は、少し安堵した。このまま解散っていうのも少し寂しかったからだ。


「それなら久しぶりにボスモンスター狩りにいかない?一人でやるのもいいんだけどやっぱクロがいた方が楽しいからさ。」


「ふっふっふ。ユウくんやっぱ寂しかったのかな〜?」


すごいクロがニヤニヤしている。いつもの俺ならここで慌てて、からかわれることになる。だが今日の俺は一味違うと言わせていただこう。


「うん。物凄く寂しかった。めちゃくちゃ会いたかった。」


「なっ、なななな。」


今の俺の顔は、多分物凄くにやけているのだろう。なぜなら目の前にいるクロが顔を真っ赤にしているのだもの。こんな顔めったに見られない。


「もう!さっさと行くよ!」


「ははは、ごめんって。ちょっと怒らないでよ。」


「怒ってないーー!!!」


その後のボス狩りは、過去最高記録をなしとげたとかなんとか。


◇ ◇ ◇


「やっぱ久しぶりのゲームは、楽しいなぁ。」


ゲームを終え、クロは意識を取り戻した。


「やっぱユウくんはいい人だよね〜」


最近忙しくてゲームができなかったのもあり、久しぶりにユウと一緒にゲームができたことに彼女はとても機嫌がよかった。


「でも明日から新しい学校か〜」


クロは、ぼんやりと部屋の壁にかけてある新しい制服に目を向けた。


「ユウくんに現実でも会えたらなぁ」




※※※※※※


短編 「私と君の1年だけの関係」も良ければ読んでいってください。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918090397

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