第6話 偶に食べたくなる。それがたこ焼き
「ブラウーン!! あそんでー!!」
「うーん………。イエローか……、シールだけは貼るなよ……」
「起-きーてーよー」
ゆっさゆっさとブラウンを揺さぶるイエローだが、本日も机でおねんね中のブラウンは屍な模様。ちなみにシール事件の時は、流石のブラウンもヘルメットから剥がすのが手間だったので覇気なく怒っている。
いつもなら反応が面白いレッドに絡みに行くイエローだが、本日はピンクもブルーもレッドも学校行事でいないので二人勤務だ。ちなみにイエローは14歳。中学二年生である。戦隊カラーズ最年少だ。
中卒で戦隊活動に専念する者も居るが、博士やブラウンはそれを認めず必ず学業を優先させるように言い含めていた。
他県では戦隊活動を優先させる県や、一種のアイドル的な存在として扱う県もあるが、県によって様々である。まぁ五人一組で怪人を倒すことが一般的であるので、戦隊カラーズは珍しい部類ではあろう。
ちなみに一応県が認定する正規戦隊である戦隊カラーズだが、非正規戦隊も数多くあるので、戦隊カラーズだけで全ての怪人を捌いている訳ではない。まぁ実績が少ないと予算カットやら正規解除やらもあるので、ある程度は必ず倒しているが。あと、正規戦隊になりたい非正規戦隊も多いので、虎視眈々と地位を狙われてもいる。
知名度や人気の低い戦隊カラーズが正規戦隊であるのも、博士の一助が大きいと言えよう。それだけ博士の異能は突出しているのだ。県への貢献具合やらそれによるコネは凄まじい。
さて、それでもいつも通りのブラウン達だが、イエローは不意に思い付いた様に言った。
「ねーねーブラウンー」
「………なんだ」
家庭環境から寂しがりというのもあるが、まだまだ子どもなイエローは甘えたがりでマイペースだ。とはいえ何だかんだ寝落ちと闘いつつも返答してあげるブラウンもイエローに甘いと言えよう。
「たこ焼き食べたい」
「………そうか」
「たこ焼き食べたい」
「……ほら、分かったからこれで買ってこい」
「たこ焼き一緒に買いにいきたい」
「……」
「たこ焼きたこ焼きたこ焼きたこ」
千円をのっそりと出していたブラウンだが、耳横でのイエローの絨毯爆撃に敢え無く撃沈。マシンガントークは彼女にかかればお手の物である。
暫し沈黙した後でブラウンがようやく重い腰を上げたので、イエローは満面の笑みで歓声を上げながらブラウンの腕を引っ張るのだった。
トネコメ「平和っていいね(笑顔」
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